平成12年 12月 定例会(第18回) 第18回
尼崎市議会会議録(定例会)第4号◯議事日程 平成12年12月7日 午前10時 開議第1 質問第2 議案第133号 尼崎市職員の給与に関する条例の一部を改正する条例について
---------------------------------------◯出席議員 1番 騰 和美君 2番 荒木伸子君 3番 丸尾孝一君 4番 高橋藤樹君 5番 田村征雄君 6番 松村ヤス子君 7番 今西恵子君 8番 丸尾 牧君 9番 酒井 一君 10番 田之上鉄男君 11番 飯田 浩君 12番 真鍋修司君 13番 杉山公克君 14番 丸岡盛夫君 15番 広瀬早苗君 16番 菅村哲仁君 17番 瀬井幸則君 18番 早川 進君 19番 白井 文君 20番 平山丈夫君 21番 牧田 隆君 22番 北 和子君 23番 滝内はる子君 24番 仙波幸雄君 25番 安田雄策君 26番 下地光次君 27番 黒川 治君 28番 蔵本八十八君 29番 北村保子君 30番 竹原利光君 31番 谷川正秀君 32番 波多正文君 33番 中野清嗣君 34番 塩見幸治君 35番 小柳久嗣君 36番 畠山郁朗君 37番 新本三男君 38番 多田敏治君 39番 宮野 勉君 41番 小田原良雄君 42番 安田 勝君 43番 高岡一郎君 44番 中川日出和君 46番 藤原軍次君 47番 米田守之君 48番 中村四郎君
---------------------------------------◯欠席議員 40番 寺本初己君 45番 石本 晟君
---------------------------------------◯議会事務局事務局長 岡田 武君事務局次長 小谷正彦君議事課長 辻本 守君
---------------------------------------◯地方自治法第121条の規定による出席者市長 宮田良雄君助役 堀内弘和君助役 山田耕三君収入役 石本 操君理事 横山助成君
都市拠点開発室長 江草康吉君市長公室長 阪本茂樹君企画財政局長 木戸 功君総務局長 辻村拓夫君美化環境局長 中岡庸晃君医務監 山本 繁君健康福祉局長 斉藤 実君市民局長 吉井惠一君産業経済局長 矢冨勝亮君土木局長 大井善雄君都市局長 三國 浩君消防局長 近成義男君水道事業管理者 西村孝一君
自動車運送事業管理者 鳥羽正多君
企画財政局総務課長 岩田 強君
教育委員会委員長 中村弘一君教育長 小林 巖君
選挙管理委員会委員長 藤田浩明君代表監査委員 久保田 治君常勤監査委員 藤本 始君
--------------------------------------- (平成12年12月7日 午前10時2分 開議)
○議長(小田原良雄君) これより本日の会議を開きます。 日程に入るに先立ち、会議録署名議員の指名を行います。会議録署名議員は、会議規則第81条の規定により、議長において騰和美君及び荒木伸子君を指名いたします。 この際、事務局長から諸般の報告をいたさせます。
◎事務局長(岡田武君) 御報告いたします。 現在の出席議員は45人であります。 寺本己議員は所用のため遅れる旨の届けが参っております。 次に、本日の議事日程は、配付いたしましたとおりであります。 報告事項は以上であります。
○議長(小田原良雄君) 日程に入ります。 日程第1 質問を行います。 昨日に引き続き、順次発言を許します。 白井文君。 (白井 文君 登壇)
◆19番(白井文君) おはようございます。白井文でございます。 私は、
ベンチャー育成支援事業と
地域情報化事業についてお尋ねしてまいります。 さて、今年4月に策定された尼崎市
男女共同参画プランは、議会からも荒木伸子議員と滝内はる子議員も参画した尼崎市
女性行動計画策定委員会を設置してつくられたものです。この
男女共同参画プランは、ジェンダーと固定的な性別役割分担といった意識にかかわる問題の解決を主要課題にしています。ジェンダーとは、御存じのように、社会的、文化的につくられた性差のことです。この意識にかかわる問題の解決を主要課題にしているのですけれども、一昨日、黒川議員からの発言にありましたように、議員ですら、男らしさと女らしさを推奨しているのが如実に分かりました。男らしさと女らしさの弊害から、家事や育児は女性、意思決定の場への参画は男性という
性別役割分担意識が生まれ、男らしさの象徴として、男は強いのだという意識から、夫や恋人からの暴力、ドメスティック・バイオレンスと言われていますけれども、DVなどが現在クローズアップされているのです。尼崎市における
男女共同参画社会に向けて、ますますの取組みが必要だと痛感をいたしました。 ところで、女性センターで1997年から3年間実施していた女性のための
起業家支援事業は2000年度は実施されていませんが、その理由は、講座への参加者が減っていることと、商工会議所に委託して同じような事業を実施しているからということでした。さて、女性のための
起業家支援事業の成果として、1997年度は、起業実績3人で、無農薬野菜の栽培と販売、
カウンセリング業、
ハウスクリーニング、1998年度の起業実績は2人で、住宅リフォームと無農薬料理店、1999年度は、起業実績ゼロとなっています。 起業家支援講座を受講したからといって、簡単に起業できるわけではなく、実績として起業できたことはすばらしいことだと思いますが、この事業を通じて、女性が起業することへの課題はどのようなことだと認識しているのか、お尋ねいたします。 昨年から商工会議所に委託している
ベンチャー育成スクールでは、女性参加者が英語を話す外国人保育士らを集めた保育園を運営する会社を起こしたほか、機能性の高い水着のデザインと販売の会社の実績が報告されています。男性参加者については、知能玩具の販売の会社を起こしたほか、エビせんべいの製造販売の会社設立などの実績が報告されています。商工会議所の担当者にこの事業の課題を尋ねたところ、いちばんはやはり資金調達についてということで、融資制度の使い勝手についてでした。例えば財団法人兵庫県
中小企業振興公社にもいろいろな新
産業創造キャピタル制度がありますが、それぞれ企業退職後1年という制約が付いていたり、創業でないとだめ、つまり、自分の今までの事業に付加する形では融資が下りないというような制約が付いています。 さてベンチャーの資金調達の方法には、銀行や行政からの融資制度を利用するだけでなく、個人の投資家、いわゆるエンジェルや投資事業組合、
ベンチャーキャピタルと言われていますけれども、そういうところから資金を調達する方法もあります。しかしながら、尼崎では、個人投資家や投資事業組合の芽が育っているとは言いがたく、また、その投資に見合うベンチャーも、現在のところ数少ないと思われます。 そこでお尋ねいたしますが、今後、
ベンチャー育成事業についてどのように進めていくつもりなのでしょうか。ベンチャーの定義は、専門技術を駆使して新事業を開発する創造的企業ということなんですけれども、
ベンチャー育成スクールの支援で会社を設立できたことは評価するものの、保育園やエビせんべいの会社がベンチャーになるのでしょうか。もちろん素人の私には分からない新技術が付加されているのかもしれませんけれども、私にはちょっと違うようにも思います。ベンチャーのすそ野を広げるという意味から、起業家支援は必要だと思いますが、すそ野を広げると同時に、もう少し高いレベルのベンチャー支援を行うべきではありませんか。つまり、単に起業するだけではなく、投資に値するような事業への支援です。そういう意味から、ベンチャーの育成には、ベンチャー自体を生み出すだけでなく、設立間もない企業を支援する
コーディネーターの育成、この
コーディネーターというのは、市役所とか商工会議所の担当だけではなくて、会計事務所や金融機関などの専門職の人材の育成ですね、そういうものが成功のキーを握っていると言っても過言ではないと思います。更に、まだまだ日本の風土として投資家が育ちにくいと言われていますけれども、投資家も同時に育てていく必要があると思います。 そこで、尼崎市としてベンチャー育成についてどのように進めていくつもりなのか、お答えください。 次に、
地域情報化推進事業についてお尋ねしてまいります。 尼崎市
情報ネットワーク計画の中では、情報化を進める目的の一つとして、市民生活の質的向上があります。市民のすべてがいつでも、どこからでも、必要な情報を快適に利用できるように、学校や公共施設などをネットワークで結び、公共施設などにおいては、市民が自由に、簡単に利用できる情報機器の整備をめざし、家庭からの情報利用が効果的にできるよう、市民が簡単かつ安価にネットに接続できる環境整備を支援するとしています。郵政省では、
ケーブルテレビ、データ通信、
コミュニティ放送などの
情報通信メディアを集中的に導入して、活力ある地域社会の形成を図るという目的で、テレトピア構想を進めています。尼崎市でも、今年度、テレトピアの地域指定を受けようとしています。地域指定を受けるメリットとしましては、
ケーブルテレビや
コミュニティ放送の
情報通信システムの構築に対して、日本開発銀行などから無利子や低金利融資があること、地域情報化に関する情報提供が積極的に行われることなどが挙げられますが、既に尼崎市には
情報ネットワーク計画があります。 そこで、テレトピア構想の地域指定を受けることで、具体的に何をしようとしているのでしょうか。尼崎市
情報ネットワーク計画とどのように関係するのでしょうか、お尋ねいたします。 また、尼崎市で情報化を進める目的の二つ目としましては、情報化による地域産業の振興が挙げられます。中小企業や商店街の情報化を支援するとともに、情報系の
ベンチャービジネスの育成を支援するということを目的にしています。 さて、情報系の産業が育つためには、高速、大容量のインフラ整備が欠かせません。通常の電話回線を使った場合と、
インターネットアクセス用の回線を使った場合とでは、通信速度は大きく違います。通信速度が速いということは、単位時間当たりに送ることができる情報量が多いということになります。例えばレントゲン写真10枚を送るとしますと、通常の電話回線なら3.5時間、高速ISDNなら9分、光ファイバーによる
情報ハイウェイなら、なんと6秒です。ビデオ映像2時間分を送るとすると、それぞれ47時間、2時間、72秒と、歴然とした差があります。 国は、当初の計画を5年間前倒しして、2005年には全国津々浦々に光ファイバーを整備するとしていますが、整備があまり進んでいないことを理由に、郵政省では、公共事業に切り替え、補助率を2分の1にするとしています。これを受けて兵庫県は、11月30日、高度情報化社会の実現に向けて、光ファイバーを使った毎秒2.4ギガビット、この2.4ギガビットというのは、一般回線のなんと7万倍というスピードなんですけれども、それぐらいの速さの電送能力を持つ高速情報網、
兵庫情報ハイウェイ構想を発表しています。この構想によると、総延長は約1,000キロに及び、自治体が構築する
情報通信インフラとしては、全国でも最長最速規模のものになるということでした。この
情報ハイウェイは、自動車道に例えられます。
情報ハイウェイは高速道路、情報はそこを走る車です。また、
情報ハイウェイで重要となる電送容量は車の速度であり、道路の幅でもあります。現実の高速道路の制限速度は、一般道の数倍程度の速さでしか走れないわけですけれども、兵庫県が構想している光ファイバーによる
情報ハイウェイでは、さきに述べましたように、一般回線の約7万倍という途方もないスピードです。私もインターネットで静止画像を送受信するときに、なかなか進まなくていらいらすることがありましたが、
情報ハイウェイが整備されると、渋滞がなくなると期待されます。しかし、
情報ハイウェイは、だれでも平等に利用できるのでしょうか。高速道路でも、入り口が遠ければ、一般道路を長い距離走ることになり、高速道路を走るメリットがそがれてしまうように、
情報ハイウェイでも、高速道路の入り口に当たる
アクセスポイントの数、そして、この
アクセスポイントと家庭を結ぶ回線、いわば一般道路の整備が重要となります。つまり、電話回線しかない一般家庭では、すぐにこの
情報ハイウェイの恩恵は受けられないということになるわけです。これをラストワンマイル問題と言うようですが、解決策の一つとしては、
ケーブルテレビやADSLなど
インターネット接続回線の利用が挙げられます。 そこでお尋ねいたします。 尼崎市の光ファイバーの整備状況はどのようになっているのでしょうか。また、今後の整備計画についてもお尋ねいたします。 更に、いわゆるラストワンマイル問題については、どのように解決しようとしているのか、お聞きいたします。 次に、尼崎が情報化を進める目的の三つ目と四つ目に、行政サービスの情報化によって市民サービスの充実を図るということと、情報基盤の整備ということで、
ケーブルテレビなどの普及を促進するとしています。現在の
ケーブルテレビは、電波障害対策として約10万8,000世帯に、有料加入が1万9,600世帯、トータルの普及率は約72パーセントとなっています。 そこで、この普及率をどのように評価し、また、将来的な目標はどれくらいだと考えているのか、お尋ねいたしまして、私の第1問を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 吉井市民局長。
◎市民局長(吉井惠一君) 女性のための
起業家支援事業を通じて、女性が起業することへの課題はどのようなことだと認識しているのかという御質問にお答えを申し上げます。 女性への起業支援講座を平成9年度より実施いたしましたが、参加者は年度ごとに減少いたしました。このことは、取組みが講演会、講座のみにとどまっていたことも一因であると考えられますが、残念ながら、参加実績から、正確な課題の把握には至っていないというのが実情でございます。 いずれにいたしましても、平成11年度から男女を問わない
起業家育成スクールが実施されましたことから、12年度より事業の一体化を図っております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君)
矢冨産業経済局長。
◎産業経済局長(矢冨勝亮君) 御質問に順次お答えをいたします。 まず、今後の
ベンチャー育成事業をどのように進めていくかというお尋ねでございます。 本市が実施しております
起業家育成スクールは、事業化に必要な税務ですとか、あるいは資金計画などの講義、そして事業プランの作成指導、更には魅力ある事業計画に対しては、投資家とのマッチングの場に応募できる、こういった程度までの育成を行うことを目標にして進めております。 また、
ベンチャービジネスへの支援といたしまして、リサーチ・インキュベーションセンター内の
ベンチャーオフィスへの入居助成制度を現在実施いたしております。ベンチャー企業にとりまして極めて重要なのは、議員も御指摘にありましたように、
コーディネーターや投資家の役割はたいへん重要でございます。したがいまして、
コーディネーター機能を持つ阪神・
淡路産業復興推進機構あるいは不十分との指摘がございましたけれども、県の
中小企業振興公社が持っております
ベンチャーキャピタルの機能、こういったものとの連携が大事でございますので、今後連携を図ってまいりたいというふうに考えております。 次に、
ケーブルテレビについての御質問でございます。 評価あるいは将来的な目標をどのように考えているかということでございますが、市内においての
ケーブルテレビが接続されている世帯数は、電波障害対策などを含めますと、本年10月末現在で10万8,200世帯。議員は、有料を別にカウントされておりましたけれども、私どもは電波障害を含めて10万8,200世帯、率で60パーセントというふうに理解をいたしております。ちなみに、西宮市では74パーセント、伊丹市55パーセントから見ますと、ほぼ順調に推移しているのではないかというふうに思っております。将来的には、双方向の活用など考えますと、
ケーブルテレビ会社としては更なる普及に努力をしていくものというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 辻村総務局長。
◎総務局長(辻村拓夫君) 地域情報化に関連いたします質問にお答えをいたします。 まず、テレトピア構想についてでございますが、テレトピア構想は、郵政省が提唱する地域の情報化推進構想でありまして、その地域指定を受けることにより、市民、事業者、行政が一体となって地域の情報化を推進していくことをめざしております。現在、地域指定を受けるため必要なテレトピア計画を地域事業者等の参画も得ながら策定中であり、年度内の指定をめざしているところでございます。 このテレトピア計画は、生活情報の受発信や産業の情報化、情報基盤整備などを目標に、事業者や
NPO法人等地域の団体が実施する
地域情報化事業も含めた計画であり、尼崎市
情報ネットワーク計画の中で本市が行政の情報化と一体的に取り組むとしている地域の情報化の中心となる計画と位置づけられるものと考えております。 次に、尼崎市の光ファイバーの整備状況はどうかという御質問でございます。 本市の市域内の光ファイバーにつきましては、NTT西日本が主に整備をしており、市内全域で50パーセントを超える整備率であると聞いております。また、計画中のものについても、早期に着手するものと聞いております。このような状況から、光ファイバー網の整備につきましては、早期の実現が見込めるものと考えております。 次に、ラストワンマイル問題についての御質問でございます。 電話用に敷設された回線が、インターネットなどの爆発的な需要拡大に伴い、末端の加入者回線の速度の問題、いわゆるラストワンマイル問題は、情報技術革命を推進する上での大きな問題として取り上げられております。解決策といたしまして、全国的に光ファイバーの整備を2005年に前倒しするという国の計画がありますが、そのほかにもCATV回線網の活用、既設電話回線を利用した高速通信など、解決に向けたさまざまな試みがなされております。本市におきましては、NTTの市域内での
光ファイバー整備率が高く、比較的簡単な工事で家庭への引き込みが可能となると聞いております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 白井文君。 (白井 文君 登壇)
◆19番(白井文君) ただいまさまざまなお答えをいただきましたが、時間の関係で質問を進めながら、また順次お尋ねしていく部分もあるので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、
ベンチャー育成支援についてですけれども、私は先日、尼崎市の若手社長の投資家への
プレゼンテーションの練習会に出席してまいりました。この企業は、去年、ソフトバンク社からナスダックへの上場の誘いがあり、今年3月、ナスダックで
プレゼンテーションを行いました。
プレゼンテーションの評判はよかったものの、実際の投資家はあらわれませんでした。一方、この企業は、科学技術振興事業団の
独創的研究成果育成事業に選定され、また、阪神・
淡路産業復興推進機構の
ベンチャーマーケット“フェニックス”でも
プレゼンテーションを今年11月に実施しています。そういう意味からいっても、技術力は突出しているわけです。 さて、私が参加した
プレゼンテーションの練習会は、明日12月8日のナスダックでの2回目のプレゼンを成功させるためのものでした。成功させるということは、投資家が投資をしてくれるということです。銀行は、担保があれば融資をしてくれます。でも、投資家や投資事業組合、
ベンチャーキャピタルですね、こういうところでは、担保の有無や現在の売上げだけではなくて、今後成長するかどうかが大きなポイントになります。今後の成長が期待される企業にしか投資はしません。一方、投資してもらえるようなレベルの高い事業でも、プレゼンの手法や内容、切り口が悪ければだめなのです。私が出席したプレゼンには、関西を中心に投資する
ベンチャーキャピタル、フューチャー
ベンチャーキャピタルのスタッフや銀行系のキャピタル会社のスタッフ、公認会計士らも出席していて、いろいろなアドバイスをしていました。これらの支援者は、社長自らのネットワークによるものですが、中小企業でだれもがそんなネットワークを持っているとは限りません。いえ、ほとんど無理というものです。ほとんどの中小企業では、アイデアを企画書にまとめたり、また、他人から無担保で事業資金を提供してもらい、短期間に株式を公開して資金を回収する
ベンチャービジネスに対する投資の仕組みを理解したりということは苦手です。そういう意味で、商工会議所、市役所の相談窓口の担当者、金融機関、会計士、中小企業診断士などの人材が
コーディネーターとしてサポートする体制づくりが早急に望まれます。 私事ではありますが、私は、1998年の1年間、近畿通産局からの依頼によって、
社団法人関西ニュービジネス協議会で設置された企業を担う
人材育成システムに関する調査研究会の委員として、この
コーディネーターの育成問題に取り組んでまいりました。その中で、近畿においても、
ベンチャー大学構想が立ち上がりました。これは、大学をつくるということではなくて、大学や研究機関、行政や商工会議所、インキュベーションセンターなどの公的支援機関、更に
ベンチャーキャピタルなどの投資育成機関、会計士、弁護士、弁理士、税理士、中小企業診断士というような専門家集団、そして企業が連携して、地域で人材を育成していく取組みというものを意味しているのです。ほんとうの意味で
ベンチャー育成支援のためには、起業家、個人投資家、支援人材の
コーディネーターの育成を集約していく必要があります。ぜひ尼崎市でも取り組んでいただきたいと思います。検討してください。 また、さきに述べました
関西ニュービジネス協議会では、
コーディネーターの育成セミナーも実施していますので、担当職員の参加も要望しておきます。 次に、
地域情報化推進事業についてですが、尼崎の光ファイバーの整備状況は約50パーセントということでした。郵政省によりますと、光ファイバーは、大都市の商業地区では90パーセント以上の整備が既に終わっているということですので、尼崎市でも早期に推進されることを期待します。 また、その整備に当たって、公共投資に頼るのではなく、民間活力を最大限利用してもらえるように、テレトピア計画を有効に活用していただくことを強く要望しておきます。 近隣都市は、既にテレトピア計画を持っているところがほとんどですが、西宮市でも6年前にもう既に立てていて、民間企業との連携や情報交換を続けています。そういう意味から、尼崎市の情報化はおくれをとっています。それを認識して取り組んでいただきたいと思います。 さて、御堂筋では、現在、光ファイバー網を整備する工事が進められていて、来年6月のサービス開始をめざしています。御堂筋沿いの賃貸ビルの空室率は12パーセントで、大阪市内平均の9パーセントを上回っている状況ですが、不動産業界の常識では、稼働率が9割を切ると、賃貸ビルの経営は厳しいと言われているようです。さて、大阪市経済局を事務局にする御堂筋活性化推進協議会では、沿道のビルの空室へのテナント誘致を手始めにして、来年3月までに、にぎわい復活へ向けたアクションプランをまとめるとしています。空室にテナントを誘致するためには、ビルのIT化が不可欠だと、そのプランの中ではしています。しかし、IT化に向けたビル改造は、ビルオーナーにとっては重い負担になります。 さて、アメリカでは、ニューヨーク・マンハッタンがITを核に再生を果たしました。治安悪化などによる空洞化の進むマンハッタン南部へ、市がIT関連産業を積極的に誘致しました。市は、ITインフラを整備したビルに対する固定資産税や家主の賃貸税の減免を実施し、その結果、企業やそこで働く人たちが集まってきて、すさんだまちがよみがえりました。このような官民一体となった都市の活性化は、イギリスやドイツでも取り組まれているところです。 ところで、尼崎市の状況を見ますと、再開発事業でも空室が目立ちますが、例えば昭和通でもビル1棟まるごと空いているところもあり、産業都市としてのにぎわいに課題を感じるところです。 さて、私は、尼崎市内の賃貸ビルの空室率を調べてみました。しかし、空室率はなかなか把握できませんでした。だれも、どこでも正確な情報を持っていませんでしたが、参考になる数字として、レインズというところの情報がありました。レインズというのは、不動産屋さんが任意で会員となって物件情報をコンピュータに登録して、情報の共有化を図るシステムです。このレインズで、12月1日の尼崎市内の賃貸ビルの空室を検索すると、なんと200件以上の物件がありました。レインズに登録していない物件も幾つかあるそうなので、実際には200を軽く超えるものと思われます。また、物件の登録日付をチェックすると、9月から空室になっているところも数多くありました。尼崎市でも空室率は高いように推測されますが、詳細は分かりません。 尼崎市は、産業の情報化支援、情報化
ベンチャービジネスの育成、スモールオフィスなどの政策を掲げていますが、それがエーリックなどの市の施設、限られた場所での育成支援というのであれば、尼崎市の活性化はとうてい無理です。私は、民間のビルがIT化を進めることも尼崎市の活性化の基盤整備には必要なことだと思っています。ビルのIT化を進めるためには、尼崎市内の賃貸ビルの築年数、空室率、電気容量、天井の高さ、空調方式、床荷重などの調査は欠かせません。申すまでもなく、多数のパソコンなどを同時に稼働させるには、電気容量や床荷重、天井高の調査、空調が部屋ごとに調節できるかどうかが重要ですので、官民一体で尼崎の活性化を行うという趣旨から、市内の賃貸ビルの現況調査の必要性を感じますが、実施するつもりがあるのかどうか、お尋ねいたします。 また、ニューヨーク市が実施したような知恵を絞った優遇制度で、官民一体となった活性化を行うために、尼崎市でも自治体独自の優遇制度を実施してはどうかと思いますが、そのつもりがあるのかどうか、お答えください。 さて、尼崎市情報ネット計画では、双方向機能がある都市型
ケーブルテレビの導入を推進しようとしています。さきほど局長からも、ますます今後推進していくつもりだということをおっしゃっておりましたけれども、現在、
ケーブルテレビでは、インターネットに接続するサービスが既に提供されています。現在の利用者は4,775世帯となっています。このサービスのメリットは、1カ月使い放題で5,900円という安さと、高速ISDNの2倍の接続スピードと容量にあります。 公営住宅における
ケーブルテレビについてですが、市営住宅97団地のうち52団地が電波障害対策として
ケーブルテレビを導入していますが、52団地のうちの7団地しかインターネット対応はできません。同じく県営団地43団地のうちインターネット対応できるのは、わずか5団地です。このように公営団地に
ケーブルテレビを導入すれば、普及率は飛躍的に伸びると予想されます。そうすることで初めて、
ケーブルテレビが市内の通信基盤として、防災時の放送、通信手段になりうるのではありませんか。 そこで、未整備の公営住宅への都市型
ケーブルテレビの導入についてどのように考えているのか、お尋ねいたします。
ケーブルテレビでの通信速度は、さきに述べましたようにISDNの2倍ですから、公営住宅で接続できるようになれば、入居者の情報化の環境整備は格段進みます。一方、災害復興団地では、緊急情報システム、これは、急病とか事故などのときに緊急時の通報ができるシステムですけれども、このシステムのある団地では、ISDNでインターネットに接続すると、緊急情報システムが作動しなくなるということで、ISDNは利用できず、回線速度が遅いNTTしか利用できないそうです。 そこで、尼崎市の産業政策としても情報化やスモールオフィス支援をうたっていますが、現状、公営住宅では、効率的にインターネットに接続するための手段は、
ケーブルテレビの普及がほとんど進んでいないことに示されるように、整っていません。そこで、現状、公営住宅に住む住民が効率的にインターネットに接続するためにはどうすればよいと考えているのか、お尋ねいたします。 以上で第2問を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 辻村総務局長。
◎総務局長(辻村拓夫君) 市内ビルの情報技術化対応についての御質問でございます。お答えいたします。 地域の情報化推進につきましては、当面、テレトピア計画の策定とその実施に取り組むこととしておりますが、その中では、民間市内ビルの情報技術化対応状況についての把握や調査の予定、また、独自の優遇制度については、現時点では考えておりません。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 三國都市局長。
◎都市局長(三國浩君) 市営住宅への都市型CATVの導入の考え方と、インターネットへの接続についてのお尋ねでございます。お答えいたします。 市営住宅のCATVにつきましては、主として電波障害対策の一環として整備してきておりまして、97団地のうち52団地において既に導入されておるところでございます。 次に、お尋ねのインターネットの対応が可能なCATVの導入につきましては、施設管理上あるいは費用負担の面など、入居者全員の合意が前提となります。こうした条件が整わない住宅につきましては、現状におきまして電話回線による利用をしていただきたいと考えております。 以上です。
○議長(小田原良雄君) 白井文君。 (白井 文君 登壇)
◆19番(白井文君) 市営住宅では全員の同意が必要ということでしたけれども、実際には、同意を求めるような、そういうふうな取組みも行われていませんよね。そういう意味では、ぜひ今後その取組みもしていただきたいし、普通の集合住宅では、4分の3以上の同意があれば実施するというような規定を設けているようです。実際にもし反対する方がいらしたとしましても、反対する理由というのがもう一つよく分かりません。ぜひ同意についても考えていただきたいと思います。 さて、公営住宅での効率的なインターネット利用についてですが、将来的には光ファイバーの整備計画に期待するとしても、現在の切実な問題があります。私は、市民の方から相談を受けました。夫がリストラで無職になり、その後仕事がなかなか決まらない。妻は、少しでも家計の足しになるようにと働きたいが、子どもが小さく、また、保育所に空きもなく、パートに出られない。そこで、結婚前にしていた仕事を生かしてパソコンによる入力の仕事を自宅ですることにした。非常に安い値段での請負だったが、それしか方法はなかった。ところが、市営住宅では、一般の電話回線でしかインターネット接続ができず、スピードが遅く、値段は高く、結果として、仕事をしての利益はほとんどなかったというものでした。 また、県営団地に住んでいらっしゃる方から、パソコンを使ってビジネスをしたいが、もちろん個人で費用は負担するから、
ケーブルテレビの回線を利用してインターネットに接続したい。しかし、集合住宅としての施設整備の必要があり、個人ではどうすることもできないという話も聞きました。 兵庫県は、さきに述べましたように、最速最長の
情報ハイウェイの整備計画を明らかにしているにもかかわらず、県営住宅での情報化の効率的な整備には消極的です。情報化は何のためにするのでしょうか。情報化することが目的ではないはずです。情報化は手段であって、その手段をだれでも平等に利用できるように整備することが行政の仕事のはずです。公営団地に住んでいる方々が情報弱者にならぬように取り組んでいただくよう、兵庫県、そして尼崎市にも強く要望しておきます。兵庫県へも要望していただくようにお願いしておきます。 官民一体となって尼崎の活性化に取り組むという視点から、賃貸ビルの調査とIT化についてお尋ねしてまいりました。さて、今年度、エーリックの情報技術プラザ内に整備したスモールオフィスに対して、入居費用の一部、2万円なんですけれども、これを助成する施策が予算化されております。10区画が市報などを通じて募集されましたが、現在の利用実績、利用者はゼロだそうです。もちろん7月分から賃貸料の補助金2万円は予算化されておりますし、それは手つかずです。そしてまた、入居者からの賃借料も、もちろん利用者がゼロなので、支払われておりません。私は、12年度の予算審議において、総括質疑の中で、尼崎市で進めようとしているスモールオフィスの助成制度について、立地条件などから、エーリックで実施することの疑問を問いましたところ、産業経済局長は、自信を持って、この施策こそが若いベンチャーにとって魅力的なものだとお答えになりました。結果はどうでしょう。私はそのとき、民間活力を利用する形で民間ビルや空き家の借り上げを提案しました。また、近畿の自治体が競ってSOHO支援--スモールオフィス・ホームオフィスですね--を行っていることを挙げ、知恵比べだということも申しました。更に、市内の民間ビルの空室状況や、SOHOとしての利用可能な物件がどのくらいあるのか、賃借料はどうなっているのか、調査をすべきと申しました。 そこで、さきほどは総務局長がお答えくださいましたけれども、産業経済局長に、民間の活力を利用するということでのSOHO支援について見解をお聞きしたいとと思います。 以上で私のすべての質問を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。
矢冨産業経済局長。
◎産業経済局長(矢冨勝亮君) SOHOに関連しての
ベンチャーオフィスについての御質問にお答えをいたします。 まず冒頭申し上げておきますけれども、現在の
ベンチャーオフィスの利用件数は2件でございます。ゼロではございません。 それから、SOHOに関連する御質問でございますが、自宅やマンションなどの住居の一部を事務所として活用するSOHOが増加していると言われておりますけれども、もともと住居でございますので、私どもはこれに対して支援するという考え方はございません。 また、加えて、本市がかねてより整備をしておりますリサーチ・インキュベーションセンターは、まさにベンチャーの支援をするための施設でございますので、この中に
ベンチャーオフィスを整備しているわけでございまして、政策支援はその
ベンチャーオフィスに対して政策の支援をするという考え方でございます。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 白井文君の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 牧田隆君。 (牧田 隆君 登壇)
◆21番(牧田隆君) おはようございます。市民グリーンクラブの牧田でございます。 本日は、平成11年度決算を含めた行財政について、情報化政策について、地域経済対策について、スポーツの振興について、公園の時計設置について、河川浄化について、随時質問させていただきます。私自身、今定例会が2期目の最後の一般質問となりますので、過去にしてきた質問を総括的にお伺いすることも含めさせていただきます。 先輩、同僚の議員の皆様におかれましては、しばらくの間御静聴賜りますよう、よろしくお願いいたします。 また、当局におかれましては、意のあるところをお酌み取りいただき、誠意のある御答弁をいただきますよう、よろしくお願いいたします。 それでは、1問目に入ります。 21世紀を目前に控えた今なお、バブル崩壊以降続く平成不況は、政府の数々の景気対策にもかかわらず、いまだ明確な好転を示すものはありません。しかしながら、国内経済の中心であり、景気の本格回復のかぎを握る個人消費において、7月から9月の伸びがプラス0.0パーセントと、わずかながらプラスを確保したことや、有効求人倍率が緩やかに上昇しているほか、冬のボーナスが前年に比べて増加するのが確実であり、設備投資が当面は堅調な伸びが続くとも予想され、来年前半には景気に明るさが見えてくるとも言われていますが、しかし、所得や雇用環境の好転がうまく消費の回復につながるとは言い切れず、実際、総務庁が実施した10月のサラリーマン世帯の家計調査では、1世帯当たりの平均収入額が5カ月ぶりに前年同月を上回ったにもかかわらず、消費支出額はやや減少しています。このように景気の本格的な回復には先行き不透明であると言わざるをえません。本市の財政においても例に漏れず、行財政改革の推進に力を入れているにもかかわらず、増大する義務的経費、伸び悩む自主財源と、いっこうに厳しい財政状況から脱しえません。 このような状況の中、今定例会に上程されました平成11年度決算について、まず初めに宮田市長にお伺いいたします。 平成11年度は、年度途中に非常事態宣言をし、予算計上事業を圧縮するなど、行政運営のトップである市長にとって、記憶に残る1年ではなかったでしょうか。平成11年度決算について、市長の率直な御感想をお聞かせください。 また、併せて、21世紀を迎えるに当たって新たな御決意があれば、ぜひともお聞かせください。 次に、経常収支比率において、平成11年度は前年の101.0パーセントから3.4パーセント改善され、97.6パーセントとなりました。一見すると少しは改善されたように見えますが、実際のところはどうなのでしょうか。平成11年度の経常収支比率97.6パーセントをどのように分析されているのでしょうか、お伺いいたします。 本市の財政構造は、経常収支比率が示すとおり、極めて硬直化しており、健全な行財政基盤の確立には、財政構造の弾力化と収支均衡の確保が欠かせません。これこそが最大の行政課題であります。この最大の行政課題解決へ向け、計画期間平成13年度から3カ年とする第1次行財政改善計画の大綱説明を受けるとともに、10年間という長期間の具体的な数字で示した行財政運営指針の説明も受け、21世紀を前にして、行政の確固たる決意を感じたところであります。 ここでお伺いしますが、金がなければ知恵を出せ、知恵がなければ汗を出せと言われていますが、今まさに本市は、金がなければ知恵を出せの時ではないでしょうか。知識とは、今まであったことを覚えていることであります。知恵とは、今までなかったことを新しくつくり出すことであると思っております。今回の第1次行財政改善計画策定に当たり、今までにない新たな取組みがあったのでしょうか、お伺いいたします。 次に、情報化政策についてお伺いいたします。 近年の情報化の進展は著しく、民間企業においては、コンピュータを活用した情報の共有化やネットワーク化に取り組むことにより、事務効率の向上や経費削減などに一定の成果を果たしているとのことであります。また、国では、住民基本台帳法改正案が可決され、近い将来、各地方公共団体間の情報を構築する住民基本台帳システムについては、その接続方法を専用回線で結ぶことによりネットワーク化が図られ、個人が属する行政区域以外でも住民票を受け取ることや、転入転出届けも転入時の1回申請で済むことも明らかになってきております。更に、自治省の地方公共団体における行政情報化の推進に関する調査研究会報告書では、情報化施策の推進項目として、第1に行政の情報の提供、第2に申請、届け出等の手続の電子化、第3にワンストップサービスの実施を挙げております。このように、本来の情報化の取組みについては、民間企業だけでなく、国も積極的に取り組んでおり、当然本市においても、国、県の動向を考慮すると、一刻も早く整備しなければ、市民サービスの向上や行政事務の改善についても他の地方公共団体におくれが生じることになります。自治省の地方公共団体における行政情報化の推進に関する調査研究会報告書を例にとりますと、市民サービスの向上については、ワンストップサービスを実施するため、行政情報をコンピュータ活用によりネットワークを構築し、情報の共有化を図るとともに、来庁される市民、事業者に対し、一つの窓口ですべての行政情報が入手できることや、リアルタイムに情報サービスの提供を受けることも可能となるような情報化の取組みを実施しなければなりません。 一方、行政に課せられた課題は、行政情報データの共有化や利便性の向上を図る必要性から、当然、行政事務の見直し、更には経費削減につなげるための方策も検討し、即実行しなければなりません。バブル崩壊後の社会情勢を見ますと、倒産に追い込まれている民間企業、強硬にリストラを進める企業も多くあります。これらの影響から、阪神・淡路大震災以降、本市も税収の伸びの減少から、緊迫した財政及び景気の低迷が深刻化しております。ゆえに、一刻も早く活力のあるまち尼崎を取り戻すべく施策を展開するとともに、本市の財政状況の立て直しをするため、早急に着手しなければなりません。 私は、その手段の一つとして行政がなすべきことは、情報化、ネットワーク化を整備することと考えております。市民サービスの向上を図るとともに、行政改革の一環であり、義務的経費の見直し、削減及び人員の削減に行政経費の負担を少しでも軽くする施策を積極的に推進することで、厳しい財源の中、行政が真剣に取り組んでいる姿勢を市民に見せなければなりません。 このような思いから、私は昨年度の一般質問、総括質疑を通して、本市行政の考え方を問いただしてきたところであります。本市のIT革命、IT化の基本は、情報ネットワーク化計画に基づいた経費削減を真に実のあるものとし、いかに行財政改革に寄与するかという点と、市民サービスの向上をどのように図っていけるのかという点であると私は考えております。 以下、私の気になる点をお聞きしてまいります。 まず最初に、
情報ネットワーク計画についてでありますが、来年3月に事務系職員約2,800人を対象に、1人1台のパソコンが一斉導入されます。以前より研修や段階導入について質問してまいりましたが、残すところ約3カ月となった現在、スムーズに導入でき、即稼働できるようになっているのか、現在の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 次に、つい先日、職員じゃあなるが配布されました。1面には、職場に寄せる電子化の波、パソコンを1人1台配布へと題してあり、以前より情報化政策に興味を持っているので、早速読ませていただきましたが、気になった2点についてお伺いいたします。 1点目は、パソコン導入が生み出す主な効果として、台帳のデジタル化、通知のデジタル化、弔報の掲示、会議室予約のシステム化、手続などの電子ファイリング、刊行物の電子ファイリング、申込みのシステム化、職員録、文書の起案、廃止、共通情報のデータベース化が表で掲げられていましたが、この表の題目のパソコン導入が生み出す主な効果の下に、かっこ書きで、見込みのため実施時期などは未定と記載されていました。見込みとはいったいどういうことなのでしょうか。平成11年2月に出された11、12年度を推進期間とする尼崎市行政改革推進計画にも位置づけられた
情報ネットワーク計画が、この時期になって、いまだにこのように書かれているということはどういうことなのでしょうか、御説明をお願いいたします。 2点目は、どんなことができるのと題し、代表的なものがインターネット、来年3月からは、各パソコンからインターネットにつないで情報収集ができる、また、所属及び一人ひとりにメールアドレスが与えられ、電子メールによる迅速な情報伝達などができるようになりますと書かれていました。裏を返せば、仕事に関係のない、自分の興味の情報収集や、業務外のメール交換、例えば今晩飲みに行きませんかとか、また、メル友と呼ばれているメール交換による会話を楽しめるということが可能であるということであります。日常業務が多忙である職員の方々にとっては、危ぐすることはないと思いますが、この点についてはどのように考えられているのでしょうか、お伺いいたします。 次に、市民サービスの向上についてお聞きしてまいります。 私は、昨年、情報政策部門の組織について、市民サービスの向上、新たな情報化の推進のため、現体制を強固にしていく必要性を聞いたところ、現体制で情報化を推進していくと御答弁されました。 ここで一つ、当局が情報化についてどのように認識されているのか、お尋ねしたいと思います。 現在の本市のIT革命、情報化政策は、他都市と比較して先行していると考えているのか、また、おくれをとっていると思われているのでしょうか、お伺いいたします。 次に、当局は、情報化による市民サービスの向上についてどのように考えられているのでしょうか。縦割り行政を打ち破るワンストップサービスのほか、他都市では、ホストコンピュータと端末をつなぎ、既にいろんな市民サービスを展開されています。現在の本市の情報化による市民サービスの向上対策はどのようになっているのでしょうか。構想でもけっこうですので、お聞かせください。また、現に実現化されようとしているものがあれば、お示しください。お伺いいたします。 1問目の最後に、地域経済対策についてお伺いいたします。 我が国の経済は、消費、設備投資、住宅投資などの最終需要が大きく減少し、少しは明るさが見えかけているものの、依然として厳しい状況が続いております。本市の状況も例外ではありません。このような状況下、各地方自治体は知恵を絞り、各地方自治体独自の地域消費拡大対策を講じられてきました。例えば東京都の板橋区では、緊急地域経済対策事業の一環として、区内の商店街振興組合連合会が発行する額面500円の共通商品券を20万枚に限り450円で販売し、値引き部分の2分の1を補助します。この商品券は、約3,800店が加盟する区商店街連合会の店舗で使用できます。この件は、地域内消費の活性化に成功した例と聞いています。板橋区では、近隣の池袋などに買物に行かれる方が多く、少しでも区内消費拡大を図ろうと考え出した事業であります。本市においてもこの方法で実施され、お隣の西宮においても、20パーセントのプレミア付きの地域限定の商品券が発行された事実があります。 また、群馬県太田市では、市が独自に金券を発行し、出産祝い金や民生委員の報酬など、市が市民に支出している祝い金や謝礼すべてについてこの金券で支給し、金券は、市内の商店や飲食店のほか、近隣地域でも使用できるように聞いています。地方自治体が発行する金券については、大蔵省金融企画局によると、民間が発行する際には財務局への届け出や登録が必要でありますが、政府に準ずる団体の場合は登録も必要なく、自治体による発行は法律上問題ないということであります。このような自治体はほかにも多く、ほとんどの例は、自治体が本来支給している現金を地元商店街の商品券で支給し、地域内の消費を活性化しようというものであります。 次に、市職員自らが先頭に立ち、市内消費を拡大しようとしている例であります。まず最初に、埼玉県秩父市では、市職員の所得税特別減税の減税に当たる部分を市内での消費拡大につなげようと、私のまちで買物をしたで証と名づけられた証明書のような用紙を全職員に20枚ずつ配布し、職員は、期間中に買物をした店から名前と金額を記入してもらって、市に提出するという方法で、市内消費の拡大対策を実施されました。また、秋田県二ツ井町では、町職員労働組合の執行部から特別減税分の一部を地元消費に向けようという案が出され、組合員の賛同を得たほか、管理職会議でも同調し、給与から天引きされる形で地元商店街の買物券を1枚500円を10枚以上買うことにし、地元消費の拡大を図られました。また、川口市では、市内の四つのJRの駅を中心に、市内消費を呼びかける横断幕や懸垂幕などを掲げ、キャンペーンを実施したり、また狭山市では、全市職員に市内での買物を促す文書を配布したりされております。このように、各地方自治体が工夫を凝らして、深刻な地域経済情勢を打開するための努力がなされています。 このような状況の中、平成10年度に本市の緊急地域経済対策について質問させていただきました。地域内消費の拡大策につきましては、個人消費の停滞により、市内小売業の売上げが大きく落ち込んでいる現状を踏まえ、できる限り多くの市民が買物を尼崎でしようという、いわゆるショッピング・インあまがさき運動を積極的に展開するような施策を推進することにより、消費マインドを高める上では極めて有効ではないかと考えていると御答弁をいただきました。結果、平成11年度には、1 割のプレミア付きの地域限定商品券の発行を中心としたショッピング・インあまがさき運動が展開され、決定的な効果は見いだせなかったが、一定の成果はあったのではないでしょうか。 ここでお伺いいたしますが、群馬県太田市などの地方自治体が行っている祝い金や謝礼金を地域内限定の金券、商品券で支給し、市内消費の拡大を図ってはどうでしょうか。例えば美環局で実施されているさわやか指導員の謝礼は1人当たり1万円で、全国の百貨店などで使用できる商品券を利用しています。さわやか指導員は約600人いますので、年間600万円のうち幾らかは市内消費に使われるでしょう。また、現金で支給している敬老祝い金は、平成12年度予算では4,201人を対象に5,266万円で、これがすべて市内消費に向けられれば、ある程度の成果は期待できるものではないでしょうか。 このように、可能な限り祝い金や謝礼を金券や商品券に替えれば、かなりの市内消費の拡大につながるのではないでしょうか、お伺いいたします。 次に、秋田県二ツ井町のように、職員自らが給与から天引きされる形で1人5,000円程度の地域限定の商品券を購入し、消費拡大対策を図っていく考えはないでしょうか。本市においては、約5,000人の職員で月に2,500万円、年間では3億円になります。このうち約40パーセントの方が市外居住者で、確実に年1億2,000万円の消費拡大が見込まれるのではないでしょうか。 最後にお伺いしますが、本市においては、市内消費拡大対策はもう必要ないと考えられているのでしょうか、それとも、知恵を絞り、何か秘策でも考えられているのでしょうか、お伺いいたします。 これで1問目を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 宮田市長。 (宮田良雄君 登壇)
◎市長(宮田良雄君) 21世紀に向かってのお尋ねでございます。 21世紀には、新しいいろいろな事象が出てくると思われますが、今、今後のまちづくりを展望いたしますと、少子高齢化への対応、新たな環境問題への取組み、地域産業の再生、分権型社会の実現など、時宜を失することなく対応しなければならない課題が数多くございます。一方、今後の本市の財政は、これまでにも増して厳しい運営を余儀なくされます。そこで、特に何よりも優先して取り組まなければならない課題は、全庁挙げて自らの意識を変革し、行財政体質の改善を図りながら、新しい世紀の課題に的確に対応していかなければなりません。そして、議員の皆さんをはじめ市民の皆さんとともに、まちの個性や魅力を伸ばし、感動と生きがいが実感できる21世紀の尼崎のまちづくりを進めてまいらなければならない、そのように決意しておるところでございます。
○議長(小田原良雄君) 木戸企画財政局長。
◎企画財政局長(木戸功君) 平成11年度の決算と経常収支比率についての御質問に一括してお答えを申し上げたいと思います。 まず、11年度決算の概要でございますが、11年度は、長引く景気低迷の影響などを受けまして、本市におきましても、自主財源の伸び悩み、扶助費等の義務的経費の増嵩などによりまして、年度途中におきまして、収支面で非常に厳しい状況となったところでございます。このため、非常事態宣言のもと、予算計上事業の圧縮や財源確保など緊急措置により、収支均衡の確保に努めてまいりました。この結果、収支の均衡を辛うじて保つことができたのが実情でございます。 次に、決算における経常収支比率におきまして、97.6パーセントと、前年度に比べ3.4ポイント改善いたしておりますが、その要因は、普通交付税が増となったこと、人件費、物件費の削減を図ったことによるものでございます。しかしながら、策定いたしました行財政運営指針におきましては、あるべき行財政運営の目標を85パーセントと定めていることから判断いたしましても、また、類似都市の平均が11年度決算におきまして83.6パーセントであることからも、大きな開きがございまして、いっそうの構造改善を図っていかなければならないと分析をいたしております。今日の厳しい財政状況は確実に今後も続くものと予測されますので、財政計画等3計画に基づきまして行財政運営を行い、構造改革の取組みにより、安定した行財政基盤を確立していかなければならないと考えております。 次に、今回の行財政改革における新たな取組みについてのお尋ねでございます。 今回の行財政改善計画は、別途策定いたしました行財政運営指針に示す改善指標に基づきまして、従来にない構造的な改革にまで踏み込んだ見直しを行い、収支均衡を図るだけではなく、財政の弾力性を確保し、安定した財政基盤を確立することを目的といたしております。平成13年度から15年度を取組集中期間と位置づけまして、精力的に進めてまいりますが、新たな視点といたしましては、すべての事務事業について聖域を設けず、一定の基準を設けて見直しを行います。受益と負担の公平性から、減免制度についてすべて見直しを行います。市税の収納率の向上や特定財源の確保に加え、新たな財源とする新税創設の研究を行ってまいりたいと考えております。そして4点目が、従来から大きな課題になっております外郭団体等の見直しに当たりましては、検討チームを設置するなど、手法、期間などを定め、実効ある見直しを行うことなどが挙げられます。こうした取組みによりまして、健全な財政基盤の確立を図り、新たな実施計画に基づくまちづくりに対応してまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(小田原良雄君) 辻村総務局長。
◎総務局長(辻村拓夫君) 情報化施策についての御質問に順次お答えをいたします。 最初に、行政事務支援システムの進ちょく状況につきましては、職員への浸透、意識づけを行うため、各局室ごとに情報化実行委員会を設置し、行政事務支援システム活用の方策について検討を行うなど、全庁挙げて準備に取り組んでおります。 また、これまでパソコン研修は延べ825人が受講し、現在は、各課の庶務担当者や課長以上の管理職に対して、実際の画面によるイントラネット研修を行っております。こうした研修を通じて、スムーズな導入と導入効果を十分なものにしてまいりたいと考えておるところでございます。 更に、LAN工事とパソコンの配備につきましては予定どおり進ちょくしており、本庁は12月末、出先機関は来年2月末に完了する見込みでございます。 次に、職員じゃあなるで掲載をいたしました情報化の内容についてでございますが、行政事務支援システムを活用して取り組む項目につきましては、検討中のもののうち台帳や通知文のデジタル化など、導入当初から実施できるもの、あるいは文書管理システムなど、実施時期が現時点では確定できないものと併せて記載したところでございます。 次に、職務以外に利用される可能性についてとの御質問でございます。 行政事務支援システムは、職務遂行の手段として導入するものであり、当然それ以外の利用については想定いたしておりませんが、そうした趣旨の徹底につきましては、新たに利用規程等を設けるほか、更に現在実施しておりますイントラネット研修等において、職員にはその遵守の徹底を、管理職には遵守の指導を周知しているところでございます。 次に、本市の情報技術の進みぐあい、程度はどうかとの御質問でございます。 本市の情報化につきましては、昭和39年のコンピュータ導入以来、住民基本台帳オンラインシステムをはじめとして、市民サービスの向上に取り組んでまいりました。また、情報技術革命が叫ばれる昨今、先進的な取組みとして、ただいま御答弁申し上げましたように、職員1人1台のパソコンを配備して全庁ネットワークを構築し、グループウェア等を活用いたしました行政事務支援システムを構築しているところでございます。ちなみに、このような1人1台といった取組みは、県内では初めての取組みであり、全国で見てもあまり例がないものと考えております。 最後に、本市の情報化による市民サービスの向上対策についてでございますが、本市の情報化による市民サービスの向上につきましては、尼崎市
情報ネットワーク計画、更には現在策定中のテレトピア計画に基づきまして、着実に推進してまいりたいと考えております。また、国が進めております電子政府や電子自治体構想などにも対応しながら、今後とも市民サービスの向上をめざしてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君)
矢冨産業経済局長。
◎産業経済局長(矢冨勝亮君) 消費拡大対策についての御質問にお答えをいたします。 まず、消費拡大対策として、市内限定商品券を発行して、祝い金や、あるいは謝礼金の支給、あるいはまた市の職員による商品券の率先購入をしてはどうかという御提案、2点について一括してお答えをいたします。 2年前の平成10年12月に、国の緊急経済対策に呼応いたしまして、緊急地域振興対策本部を設置いたしました。今年の6月の廃止までの間、地域振興券の発行をはじめ、市内限定商品券の発行助成、あるいは議員もお触れになりましたが、ショッピング・インあまがさき運動などのキャンペーンと、さまざまな施策を実施してまいりました。こうした一連の消費拡大の取組みは、一定の期間にさまざまな施策を集中して実施することによる相乗的な効果を期待したものでございます。御提案の商品券の発行と祝い金や謝金、あるいは職員の率先購入などの利用促進、こういった対策について、対費用効果の面を踏まえながら研究をしてみたいというふうに思っております。 次に、市内消費拡大対策の必要性、秘策はないのかといったお尋ねでございます。 我が国経済は、自律的な回復に入ったと言われますものの、個人消費がなかなか回復しない、こういった実情にありまして、市内の消費拡大といいますのは、低迷する市内の市場、商店街の活性化を図る上でも重要な課題であるというふうに考えております。このため、さきほど申し上げました緊急地域振興対策で実施をいたしました事業の中で、市場、商店街のにぎわい創出に向けたまちなか再発見バザール、あるいはにぎわい店舗創出支援事業などは、現在もまだ引き続き実施をしております。加えまして、一昨日も御答弁いたしましたが、最近のインターネット社会の進展に対応して、今年度のモデル事業として市場、商店街のホームページ作成、あるいは仮想商店街による電子商取引などの事業化研究の調査を支援しておりますが、今後はこうした取組みを通じて、商業者の新しい活力の創出、また、これに対しての消費者の購買意欲の喚起、こういったものが成果を上げてくれば、消費拡大にもつながるのではなかろうかというふうに考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 牧田隆君。 (牧田 隆君 登壇)
◆21番(牧田隆君) ただいまるる御答弁いただきました。まず最初の行財政改革の部分では、21世紀を目前に控え、平成13年度以降、健全な行財政基盤を確立していただきますよう、市長を先頭に、全職員一丸となってこれに取り組んでいただきますよう要望しておきます。 情報化につきましては、まず、市民サービスという観点から考えますと、尼崎市はたいへんおくれているんじゃないかと私は思っております。つい先日、文教委員会でも視察に行かせていただきました長崎市なんかでも、ホストコンピュータと端末コンピュータを結んで、公共施設のコンピュータによる申込みとか、そういうことが随時いろいろされております。そういった観点の中でも、本市は多少市民サービスという観点からはおくれをとっているのじゃないかと思いますので、今後のIT化の波におくれないよう、情報政策に対しては全力で取り組んでいただきたいと思います。 地域経済対策、御答弁いただきました。今のところ、恒常的な施策も展開されているようです。ただ、前回、10パーセントのプレミア付き商品券を発行して、ただ短期、1回に終わっております。もっと具体的な、積極的な、実に結びつくような施策をぜひとも恒常的に展開していただけるよう要望しておきます。 それでは、2問目に入ります。 最初に、公園における時計整備についてお伺いいたします。 公園は、緑を創出するとともに、市民の潤いの場であり、コミュニティの場でもあります。また、災害時には避難場所として利用され、市民生活の重要な位置を占めています。私は、平成9年度の一般質問で、公園の時計整備について質問させていただきましたが、当時の設置基準は、原則として寄贈の申し出があり、面積がおおむね1ヘクタール以上の利用頻度の高い公園に設置するとなっていました。そこで、新たな設置基準を設け、市行政により多くの公園に一定時間に時を知らせる時計を設置してはどうかと伺ったところ、土木局長より、昨今、太陽電池式の時計など、非常に性能がよくなっていることや、公園利用者からの設置要望もけっこうあることなどを踏まえまして、河川敷を除く、当面はおおむね1ヘクタール以上の公園を整備する際に合わせまして、チャイムなどを考慮した時計を市においても設置を考えていきたい、かように思っておりますと御答弁をいただきました。その後3年経過した現在、街区公園は5カ所増え、220カ所、近隣公園18カ所、地区公園6カ所、総合公園3カ所、運動公園1カ所、風致公園2カ所、交通公園1カ所、街園18カ所、都市緑地は3カ所増え24カ所、緑道7カ所、新たに広場公園が1カ所設置され、計9カ所増え、現在では301カ所の公園が設置されています。このうち、平成9年度当時は17カ所で時計が設置されており、この17カ所の公園のうち、時友南公園、橘公園、猪名川公園、小田南公園、祇園橋緑地、元浜緑地の6カ所は本市が独自で設置し、残り11カ所は種々の団体による寄贈により設置されていました。その後3年が経過し、丸橋公園、大井戸公園、尾浜公園の3カ所に時計が設置され、20カ所となりましたが、増えた3カ所は、いずれも各種団体による寄贈であります。 神戸での事件以降、各地で子どもたちが事件に巻き込まれて被害者となっています。私の住んでいる竹谷小学校校区内でも、今年に入ってから、ハトの首なし死骸が阪神電車の高架下に並べられていたり、マンションや道路わきに放置されている事件がありました。また、登下校時や放課後に児童が変質者に腕を引っ張られたりすることもたびたび起こっております。時は選ばないものの、時間が遅くなればなるほど、子どもたちが事件に巻き込まれる可能性が高くなるのではないでしょうか。多くの子どもたちが公園を利用します。しかし、ほとんどの子どもたちは時計を持ち歩いていません。ぜひとも公園にチャイムの鳴る時計を早急に設置してはどうでしょうか。 ここでお伺いいたしますが、平成9年度の御答弁では、河川敷を除く、当面は1ヘクタール以上の公園を整備する際に合わせて設置を考えていきたいとされていますが、現在、1ヘクタール以上で時計の設置されていない公園が14カ所ありますが、来年度以降、この14カ所の公園の整備計画はどのようになっているのでしょうか。また、1ヘクタール以上ある蓬川公園では、現在北へ2区画広げ、公園整備をされていますが、なぜ時計を設置されないのでしょうか、お伺いいたします。 太陽電池式の時計は、約100万円。200万円も出せばチャイム付きが買えると聞いております。工事費も基礎工事だけで、電気工事が必要ないので、比較的安価でできます。財政が厳しい中ではありますが、年次計画を立てて整備していくようなお考えはないでしょうか。例えば、年1,000万円で4カ所を整備すれば、寄贈も含め、3年もすれば1ヘクタール以上の14カ所の公園に整備が完了するのではないでしょうか、お伺いいたします。 次に、スポーツの振興についてお伺いいたします。 宮田市政誕生以来、明るくさわやかなまち尼崎をめざす中で、スポーツにも多大なる力を注がれてまいりました。市民一人ひとりがスポーツに親しむことは、健康の保持増進や体力の向上だけでなく、明るく豊かで生きがいのある生活を営む上でも重要であり、スポーツの振興は、尼崎の新たなイメージを創出し、定着させていく上でも大きな役割を果たしていくと確信しています。そういった中で、スポーツコンプレックス構想、スポーツのまち尼崎事業、市尼の体育科開設など、新規事業や新たな構想が生まれてまいりました。スポーツには、見るスポーツ、楽しむスポーツ、鍛えるスポーツ、健康の維持増進のためのスポーツなどがあります。このようなスポーツを大人も子どもも、またハンディを持った人も高齢者も、いつでもどこでもできれば、こんなにすばらしいことはありません。 私は昨年、スポーツのまち尼崎ではあまり日の当たることの少なかった高齢者、障害者のスポーツ振興策について質問させていただきました。年じゅう使える温水プール、ゲートボールにグランドゴルフやペタンクのできるグランド、車いすでバスケットのできる体育館、リハビリ程度の軽い運動のできる室内施設などを備えた高齢者、障害者専用の総合的なスポーツ施設の建設について御提案させていただきました。これに対する答弁は、尼崎市スポーツ振興審議会の意見具申などを踏まえ、高齢者や障害者及び世代を超えたスポーツの交流の振興など、幅広く長期的な視点に立ちまして、ハード、ソフトの両面から有効な施設の在り方の研究検討をしてまいりたいと考えておりますと御答弁いただきました。その後、まだわずか1年しか経過していませんが、現在の状況についてお聞かせください。 最後に、河川浄化についてお伺いいたします。 川は、昔から人間と深いかかわりを持ってきました。そして、川は市民に潤いや安らぎをもたらし、動植物をはぐくんでまいりました。庄下川においても、かつては地域の用水や子どもたちの遊び場として日常生活に深くかかわり、市民に大きな恩恵をもたらしてきたところであります。しかしながら、戦後の高度経済成長を背景にした環境の変化により、水辺の緑、オープンスペース、農地等は減少し、工場や生活排水による川の汚染も著しく、水は濁り、油やごみなどの浮遊物や悪臭があり、底にはヘドロがたまるなど、安らぎからは程遠く、川に対するイメージは悪いほうへと進んでまいりました。このような状況の中、庄下川は昭和63年度にふるさとの川モデル河川として指定を受け、市民の身近な生活の場に取り戻し、水と緑を生かし、より快適で活力あるまちの形成をめざして整備する中、抜本的な水質浄化を図ることが不可欠であり、早期浄化が急務であるとの考えから、平成4年から6年の3カ年を事業期間として、平成6年度に都心部、とりわけ玉江橋付近においてきれいな水が流れ、市民がコイやフナの泳ぐ姿を見ることができる庄下川の実現を目標に、庄下川水質浄化短期対策事業が実施され、その成果とし、近づくだけで臭かった悪臭は激減し、水質は改善され、昭和61年度には2種類であった魚類が、平成11年度には12種類まで増えました。 ここでお聞きしますが、平成6年度の水質浄化短期対策事業終了後から現在に至るまで、水質はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。 続いてお伺いしますが、庄下川が43号線を下り、築地地区に入り、築地地区におきまして、近年夏場に悪臭がするという話を住民の方から伺いました。ここはもちろん尼崎港管理事務所が管理しており、県の所管となりますが、当局はこのことを市民から耳にしたことがあるのでしょうか。耳にしたことがあれば、県に対しどのように要望されたのでしょうか。また、耳にしていなければ、今後県に対し調査依頼をするお考えはあるのでしょうか、お伺いいたします。 川は、潤い、安らぎ、ふれあいの場を創出します。しかし、一つ間違えると、人を避け、醜いものとなってまいります。21世紀を目前にし、20世紀のあかはできる限り除いておかなければならないのではないでしょうか。 これで2問目を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 大井土木局長。
◎土木局長(大井善雄君) それでは、まず、公園における時計の設置の件についてお答え申し上げます。 1ヘクタール以上の公園で時計を設置することについて、来年度以降年次計画を立てて設置をしていく考えはないかということでございますが、平成9年度に答弁いたしましたように、公園の拡張や整備事業に合わせまして設置をしてまいりたいと考えております。時計のみを年次的に設置をしていくことにつきましては、現在の財政状況から困難でございます。 また、1ヘクタール以上ある蓬川公園を整備しているが、なぜ時計を設置していないのかということでございますが、蓬川公園は、国庫補助事業で整備工事を行っているところでございまして、現在、時計設置に向けて鋭意協議検討しているところでございます。 次に、庄下川の水質浄化短期対策事業の終了から現在まで、水質がどのように変化をしているか、また、築地地区において夏場悪臭がするという話を聞いたことがあるかという御質問でございますが、庄下川の水質につきましては、環境基準点である尾浜大橋の付近で、平成6年度と平成11年度の年平均値で比較をいたしてみますと、BOD、いわゆる生物化学的酸素要求量は4.6ミリグラム・パー・リットルから1.9ミリグラム・パー・リットルに減っております。同じように、DO、いわゆる溶存酸素量は7.7から7.9、それからSS、浮遊物質量ですが、これは31から5ミリグラム・パー・リットルまで、いずれも基準値内で、かなり改善されてきております。 また、築地地区において、夏場に悪臭がするという苦情は直接耳にいたしておりませんが、今後そのような苦情がありましたら、河川管理者である県に調査を依頼してまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 阪本市長公室長。
◎市長公室長(阪本茂樹君) スポーツ振興についてのお尋ねにお答えをいたします。 スポーツ振興方策の調査検討につきましては、まずはスポーツの盛んな先進17都市の取組みなどを調査いたしますとともに、市内にあります公共62、民間69の健康、スポーツ関連施設で展開されております事業内容及び本市が取り組んでおります健康、スポーツ事業の内容を調査し、これらの基礎資料をもとに、施策の分類、分析を行ったところでございます。この調査結果に加えまして、スポーツを取り巻く社会状況等の変化を踏まえまして、これからのスポーツ振興の方向性として、まず21世紀の尼崎市を象徴するスポーツ、健康を中心にした新しいまちづくりへの取組み、次に、市民だれもが好きなときに好きなスポーツを楽しめるための環境づくり、ライフスタイルの創造、そして市民、事業者、行政といった多様な主体が地域で協働して取り組むスポーツ振興、健康づくり、これら三つを導き出したところでございます。今後はこれらを施策体系の柱として、年度末には一定の振興方策として取りまとめたいと考えております。 なお、前回御提案の中で、総合体育館トレーニング室に障害者用機器を導入するとか、介護保険制度施策として市内のスポーツ施設の利用助成を図るなど、一部障害者、高齢者を対象にした事業に取組みを始めております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 牧田隆君。 (牧田 隆君 登壇)
◆21番(牧田隆君) 3問目は要望だけとさせていただきますが、まず、公園における時計設置であります。 まず、1ヘクタール以上ある14カ所の公園におきまして、整備計画に基づいてやっていくということなんですが、なかなかその整備計画がどのようになっていくかもわかりません。この財政状況が厳しい中であります。だけど、私が計算するには、大体1基250万円もあればチャイム付きの時計が設置できると思います。たいへん厳しい状況でありますが、ぜひとも早急に公園に時計設置をしていただきたいと思います。子どもたちのために、できるだけの努力をお願いいたします。 最後に、スポーツに関して御答弁いただきました。 高齢者の方たちが健康になるために病院に行くのではなく、健康になるためにスポーツ施設に行く、こういうことが実現できれば、ほんとうにいいことだと思いますし、また、本年シドニーオリンピックがありました。その後、パラリンピックがありました。日本の選手もすごくいい成績を上げられております。このような中で、いわゆる障害者のスポーツというのがたいへん盛んになってくると思われます。そういった中で、障害者専用の総合的なスポーツ施設をつくることにより、そういう本当の基盤というものができてくると思います。ぜひとも障害者、高齢者専用の総合スポーツ施設を早急に御検討いただきますよう要望いたしまして、私の全質問を終わらせていただきます。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 牧田隆君の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 今西恵子君。 (今西恵子君 登壇)
◆7番(今西恵子君) 日本共産党議員団の今西恵子です。しばらくの間、御協力をお願い申し上げます。 まず最初に、武庫荘高校統廃合についてお尋ねします。 2月4日に県教育委員会は、県立高等学校教育改革実施計画を発表し、3月30日に突然対象校名を発表いたしました。父母、市民に対して計画内容の説明もされず、市民や子どもにとって大きな不安となりました。これは、行政の説明責任を欠いた、非常に乱暴なやり方であったと思っております。それがゆえに、説明会を求める陳情が当市議会にも出され、9月になってやっと説明会が持たれました。高校進学を控えた子どもを持つ父母は、どんな思いでいるでしょうか。準義務教育化した高校に、子どもも親も進学したい、させたいと思っております。しかし、将来何をしたいのか、めざしたいのか、しっかりと目的を持っている子どもは少ないです。多くはこれから見つけるというもので、その意味でも、高校生時代はたいせつな時期です。私もそうでしたが、子どもが望むなら、できることなら大学までは行かせてやりたいと思いました。ですから、普通高校に進学を望む生徒が多いのではないでしょうか。 今回、県教育委員会が示した武庫荘高校をなくすことに、多くの親が不安を持ったのです。父母の疑問は、なぜ武庫荘高校かということです。お答えをお願いいたします。 次に、市営住宅での高齢者の問題についてです。 最近起きたことですが、団地にサイレンを鳴らして、消防自動車が来て、大騒ぎになりました。団地の5階に住んでいる方の安否確認のための出動だったんです。娘さんが電話をしてもいっこうに連絡が取れないので、不審に思い、自治会長さんに連絡して、様子を見てもらいましたが、分からず、結局消防署に連絡をし、はしご車で5階のベランダからガラスを割って中に入ったんです。既に亡くなられていました。地域の方々もたいへんショックを受けました。そこで、いろいろと調べてみました。次は私の知り合いの例なんですが、ひとり暮らしで、寝ていてそのまま動けずに、3日目に発見されました。部屋の上下階の方が、ここ数日姿が見えない、家を空けるなど聞いていないと、不審に思い、かぎを預かっていた管理人さん、この市営住宅には管理人さんがいたのですが、その人と一緒に入り、意識を失っているのを発見したんです。一命は取りとめましたが、意識が戻らないままに、数カ月後に亡くなりました。古くから居住し、知り合いがいて、かぎなど預けることができる信頼関係が築かれている方は、安否の確認もできます。もう1人の方は、近ごろ姿が見えないと、御近所が心配をし、かぎを預かっていたので、警察立会いのもとに中に入ったんです。部屋の中は異常なかったので、ドアに連絡をするようにと張り紙をしておいたそうです。この方は、遠くの病院に入院されていたことが分かりました。 紹介した例は、いずれもおひとり暮らしでしたが、近所づき合いのある方でした。しかし、高齢になってから引っ越しなさった方は、御近所づき合いが難しいと言われます。私の住む地域について見てみますと、市営住宅宮ノ北、昆陽ノ台、西昆陽の3団地があります。建ってからどれも30年を過ぎています。最初に入居した世代の多くは、子どもが独立し、今は65歳を過ぎる高齢世代になっています。宮ノ北団地に限って見てみますと、戸数は987戸で、うち空き家が59戸あります。65歳以上の方が491人、65歳以上の御夫婦2人世帯が69、女性ひとり暮らしが142人、男性ひとり暮らしは22人です。これを現在入居の世帯で見ると、928世帯中422世帯に65歳以上の高齢者が居住されています。全体の45パーセントとなります。65歳以上だけの世帯では230世帯であり、25パーセントとなり、4軒に1軒が高齢世帯です。高齢化が急速に進んでいることが分かります。65歳以上の高齢者が30人以上いる震災復興住宅では、シルバー対応がされ、安心して暮らせるシステムがつくられ、たいせつな役割を果たしております。震災後、仮設住宅での孤独死が問題となりましたが、今日では、マスコミも取り上げないほどに日常的に起こる、驚くべき状況です。ちなみに、孤独死の本市の状況を調べてみますと、この4月以降から今日まで、東警察署管内で27人、市内全体では58人に達しています。これほどに孤独死を生み出す社会というは、異様と言えます。 そこでお尋ねをします。 今後ますます高齢者が増える市営住宅、公営住宅において、安否確認など生活支援を行うLSAの配置が必要と強く思いますが、配置する考えはありますか、お答えください。 次に、日常生活での問題です。 高齢とともに身体が不自由になります。階段の上り下りが困難になってきます。こうした身体上の理由で1階に移りたいと、住宅管理課に上申書を出している方が、今年の8月現在、全市で46件、宮ノ北団地だけでも20件あります。家への出入りがたやすくなってほしいと、1階に住むことを望んでいます。 お尋ねします。 宮ノ北団地など、市営住宅は築後30年を経過していますが、建替え計画があるのでしょうか、お答えください。 高齢者が増える中で、室内はバリアフリーになっても、家にたどり着けない、家から出られないでは、まちのバリアフリーはできても、不十分なんです。家にひきこもらざるをえなくなってしまいます。建替え計画がないなら、建設省が打ち出した階段室型住宅のエレベーター設置に補助金を出す制度を活用して、エレベーター設置をすべきです。その考えはありますか、お答えください。 次に、西武庫団地建替えについてです。 市民から、取壊しに当たってアスベストの心配が指摘されています。建設された当時に建築資材として広く使われていたためです。危険性があるというんです。市民の安全を守る立場から、市は公団任せにせずに、市の立会いのもとでアスベストの有無の調査をし、その結果を公表するよう公団に要求すべきだと考えますが、その考えはありますか、お答えください。 西武庫団地の建替えに当たって、福祉施設用地が確保されていますが、その活用について、市として計画があるのでしょうか。私が団地入居者全員に届けたアンケートの回答には、老人施設、公民館、図書館、児童館を求める声が多くありました。どんな施設を設置するか、市民の声が反映できるように、意向調査などに取り組み、その実現のために公団と協議しているのか、現在どこまで進んでいるのか、お答えください。 次に、老朽化した公共施設についてです。 保育所、児童館、児童ホーム、母子生活支援施設、老人施設、そして学校と、多くの施設の実態を調査し、こうした生活関連の公共施設の建替え改修を要望してきました。今回は、とりわけ問題のある学校のトイレについてお尋ねします。 私が以前に一般質問した、使えなくなっている中学校のトイレは、その後すぐに修理されました。このような緊急にしなければならない小規模な修理は、4月以降どれだけあったのでしょうか。また、2年前の6月議会では、清風会の騰議員が栗東中学を例にして一般質問されています。それに対する当局答弁は、フラッシュ式トイレに改善するとともに、順次便器の洋式化にも努めてきたとあり、また、良好な学校環境の確保のためには、学校のトイレも重要な場所の一つと認識していると答えています。それから今日まで2年間に、栗東中学のように子どもに喜ばれるトイレがどれだけ改善されたのでしょうか、お答えください。 これで1問目を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 小林教育長。
◎教育長(小林巖君) 県立高校の教育改革で、なぜ武庫荘高校が対象になったのかということでございますが、お答えいたします。 県立学校の設置管理につきましては、県の所管する事項であり、市として答える立場にはございませんが、県立武庫荘高等学校と武庫工業高等学校の発展的統合は、県下の県立高等学校を対象とした教育改革実施計画の一環として、総合的な判断のもとに決められたものと、県教育委員会から伺っておるところでございます。 次に、4月以降緊急に実施した学校のトイレの修繕件数及び改善についてお答えいたします。 学校トイレの整備につきましては、それぞれのトイレの状況を見る中で、適宜その整備に努めておるところでございまして、4月以降に実施した小規模な改善件数は57件であります。また、この2年間の改修は、平成11年度は2校、平成12年度は4校の合計6校となっております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) 御質問にお答えをいたします。 まず、生活援助員の配置についての御質問でございます。 生活援助員、いわゆるLSAは、高齢世帯の生活支援のため、夜間等の緊急時に対応できる設備等を備えた住宅として、建設省及び厚生省の承認を受けた災害復興公営住宅等のシルバーハウジングに県の補助を受けて配置しているものでございます。そうしたことから、一般の市営住宅あるいは公営住宅にこのLSAを配置する考えは持っておりません。 次に、西武庫団地の福祉施設用地についての御質問でございます。 都市基盤整備公団では、西武庫団地の建替えに当たりまして、社会福祉施設との併設を考えておられます。その関係で、公団との意見交換はさせていただいているところでございます。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 三國都市局長。
◎都市局長(三國浩君) 宮ノ北団地などの建替計画と階段室型の住宅へのエレベーター設置へのお尋ねでございます。お答えを申し上げます。 市営住宅の建替えにつきましては、特に老朽化の著しい住宅を対象に、現在検討を進めているところでございますが、お尋ねの宮ノ北等の築後30年を経過した住宅につきましては、改修、改善などによりまして可能な限り有効活用を図ることを基本としておりまして、現段階において建て替える計画はございません。 次に、既存の中層住宅へのエレベーターの設置につきましては、一昨日の下地議員の御質問にお答えいたしましたように、設置効果の高い一部廊下型の住宅から先行的に設置する方向で実施計画に位置づけてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 中岡美化環境局長。
◎美化環境局長(中岡庸晃君) 西武庫団地の取壊しに当たって、アスベストの有無を調査し、その結果を公団に指導すべきといった御質問にお答えします。 アスベストにつきましては、昭和30年代から50年代の初頭にかけまして、建築物の耐火被覆として吹きつけ使用されていたほか、保温、吸音建材として使用されておりました。西武庫団地につきましては、昭和30年代後半に建設されたものでございますので、建物の解体に当たりましては、アスベストの含有の有無について、市も立会いのもとに調査を行ってまいります。使用されている場合にありましては、法、条例に基づき、事業者への適切な指導を行ってまいる考えでございます。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 今西恵子君。 (今西恵子君 登壇)
◆7番(今西恵子君) 今、教育長から答弁いただいたんですが、県立高校であるということは分かっているんです。でも、尼崎市の子どもが行く学校であるから、市としてどう考えているんだということをお聞きしているわけですけれども、その思いが伝わっていないということで、続いて質問をしてまいります。 武庫地域は、少子化の中にあっても子どもの数は減少しておりません。規模の大きいマンションが次々と建設されている状況でもあります。学校の必要性から見ると、市内でも最も必要度の高い地域になります。その地域から普通高校がなくなるんです。県教育委員会は、尼崎全体を見てと説明をしていますが、それでは地域の父母は納得できません。また、普通高校の開門率を見ると、この春の2000年には普通科が4学級減りました。開門率が2パーセント減となっています。開門率とは、中学3年生の生徒数に対する募集定員の割合です。4,041人の生徒に対して2,160人が募集定員でした。そこに2,525人が希望したんです。開門率は53パーセントでした。そのために、普通科希望者の365人が締め出されています。また、来年の進学希望調査が9月にされ、公立普通科への進学希望は2,523名でした。来年は2学級減らすということで、10月に発表されています。普通科の開門率は52.9パーセントとなります。阪神間でも比較すると、やはり低い状況ともなります。尼崎の子どもたちの高校教育を受ける権利がますます狭められているんです。普通科に進学したいという子どもの思いをどのように教育委員会は受け止めているのでしょうか。どの子にも教育を受ける権利があります。どのように保障するのでしょうか。 私立の高校は尼崎市内に女子校が2校あるだけです。男子校はありません。男子のほとんどが大阪府圏内の高校に行きます。そして、府外ということで、進学枠が当然少なくなってきます。女子は神戸近辺が多いと聞いています。大学進学率の高い高校に入学し、よりよい大学にと考えている子どももいますが、友達と一緒に地元の高校に行きたいと願っているのに、入学できずに市外の高校に進学する子が多くいるんです。地域の学校に行ってほしいと親も思っています。大阪や神戸には繁華街もあり、誘惑も多いだろうし、親の目の届かない遠くに行かせるのが不安なんです。親には公立にこだわらなければならないもう一つの理由があります。経済的な理由です。この不況で、授業料を払うのが困難な家庭が増えています。私立高校は、授業料が高い上に交通費もかさみ、大きな負担となります。地域の学校であれば、歩いてか、若しくは自転車で通えますから、交通費は要りません。教育に最も出費がかさむ父母たちにも、不況の嵐の中でリストラの心配があります。収入の増える見込みがない中で、更に県や市からは行政改革だといって私学助成金を打ち切ると言われ、交通費は値上げされるなど、負担が重くのしかかる一方です。こうした経済的負担を背景に持つ子どもの思いをどのように教育委員会は考えているのでしょうか。 市教育委員会は、尼崎の子どもが通う学校をなくさないでの親の声を知っていますか。県教育委員会に見直しを要望し、尼崎の子どもの教育を受ける権利、これを守るとりでになるつもりはないのでしょうか、お答えをお願いします。 次に、トイレのことですが、トイレは文化だと言われ、文化水準を図るバロメーターでもあります。トイレの暗い、汚い、臭いの3Kをなくす取組みが、今全国で進められています。改めてお聞きしてまいります。 11月20日の朝日新聞に、トイレ改革、花子さんいなくなったかなと題する神戸山手女子中、高校の記事が載りました。生徒のアンケートでも、学校のトイレが嫌いと答えたのが約7割にもなっています。神戸市教委は、昨年、公立の小、中、高校など計272校を調査した結果、学校でトイレをせずに我慢する子がいるのかの問いに、多い、少しいると答えた学校が約6割となり、トイレ新設を計画しているとの記事でした。京都市教委も98年から、300校の市立学校のトイレを5年計画で改修する事業に取り組んでいます。予算は毎年3億6,000万円です。水回りの仕事ですから、予算以上にかかるとも言っていました。各校に1カ所ずつきれいにしていく計画だといいます。 さて、我が尼崎はどうでしょうか。今回、大庄小学校のトイレが改修されたと聞き、早速視察してきました。改修されたトイレの前が児童ホームの部屋だったので、指導員の方に子どもの様子を伺いますと、たいへん喜んでいる。これまででしたら、トイレに行くのを怖がっていたのが、今は明るくてきれいなので、すぐに行くと言うんです。やはり子どもたちは、臭い、汚い、暗いトイレは怖い、こう思っています。できるだけ使わないように我慢していたことが分かります。これまで、トイレは汚いものとして、人目につかない隅に位置づけられていました。学校でも同じで、人けのない、日の当たらない暗いところにあります。だから怖い、行きたがらなくなって、我慢をしてしまいます。低学年では、お漏らしをする子もあります。体にいいわけがありませんし、安心して授業にも専念できません。 伊丹市にも新しいトイレができたと聞き、荻野小学校を視察しました。これまでの学校のトイレとは全く違いました。廊下と入口のドアがありません。床と同系色のカラーの洗面台、正面には壁一面が大きな鏡になっています。その上には明るい照明も付いています。荷物が置ける台が置かれて、教科書などが置けるように配慮されています。洋式のトイレも取り入れてありました。体がつくから、肌がつくから嫌がる子どももいると、1カ所だけにしたそうですが、その心配はあまりなかった、もっと多くつくったらよかったというふうにも言われていました。観葉植物も置かれ、花が飾られて、デパートの化粧室のようになっていました。臭くもありませんから、廊下との仕切りドアもなくていいわけです。掃除の仕方も変わり、水を使わずにふき取るんです。簡単に丁寧にできるようになったとも言っています。尼崎の学校では、水をかけて掃除をします。ドアや仕切りを濡らしてしまいますから、化粧板がはがれ、腐食が進んでしまいます。そのためにいっそうトイレが汚くなります。良好な学校環境づくりとしても、どうしても対策が必要です。 そこでお尋ねします。 尼崎はきれいな学校トイレづくり実現の取組みに子どもや職員の声を聞き、抜本的なトイレの改善計画を立てるべきです。その考えはあるのでしょうか。他市を視察し、研究し、夢のあるトイレづくりに取り組みますか。市長の御所見をお聞きします。 これで2問を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 小林教育長。
◎教育長(小林巖君) 市教委は、尼崎の子どもが通う学校をなくすという親の声を知っているか、また、県教委に見直しを要望すべきではないかという御質問でございますが、このたびの武庫地区における二つの県立高等学校の発展的統合に伴う総合学科の計画に対して、一部に意見が出ていることは承知しておりますが、基本的には設置者である県の権限と責任により行われるものであります。 なお、この計画は、高校教育改革という時代の要請にこたえていくものととらえており、尼崎市教育委員会として見直しを要望することは考えておりません。 次に、学校トイレの整備に当たって、子ども等の声を聞くなど、計画的に取り組んでいく決意はあるのかというお尋ねでございますが、学校のトイレは、児童生徒が学校生活を送る上で重要なものの一つであると認識しております。そのため、整備につきましては、実際に使用する学校の考え方を取り入れるため、学校長と協議しております。今後におきましても、学校長の意見を尊重し、児童生徒等が気持ちよく利用できるよう、整備に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 今西恵子君。 (今西恵子君 登壇)
◆7番(今西恵子君) さきほどの1問目の答弁の中にも、県とか国とかという形で、それ以上のことを尼崎はしないという言い方をされていますが、ほんとうに尼崎の市民のことを考えるならば、尼崎独自の施策を進めていくようにということで、私は今回の質問をさせていただいております。県がという形ですべて逃げてしまうような答弁の中身については、ほんとうに残念です。また、このことについては陳情も出されておりますので、委員会の中でも意見を述べていきたく思っています。 3問目に入ります。 この春から市尼の体育科が始まりました。80人の募集に尼崎の子どもは45人入学しました。しかし、これは結果論であり、成績しだいではゼロになることもあります。市立高校でありながら、市民が入れないのでは意味がありません。尼崎の子どもが通う学校をなくさないで、この子どもや親の声に耳を傾け、こたえるべきです。 さて、高校生活とは、子どもたちにとってどういう意味を持つものなのでしょうか。この春に卒業した武庫荘高校21期生の答辞があります。少し紹介します。 この生徒は、武庫荘高校に対して、評判も悪い、偏差値も低い、絶対に進学もできないし、いい就職先もない、あんな学校には行きたくない、夢も希望も抱くことができなかったと語っています。ところが、不承不承武庫荘高校に入学をしたんです。その生徒が、ほんとうにいろいろな人がいて、一人ひとりほかの人にはない、その人だけが持っているきらきらしたところがたくさんあって、みんながみんなたいせつな友達ですと感じ、違いに気づき、ほんとうにたいせつなことを見つけ出すことができたのは、人との出会いであり、武庫荘高校に通うことができたからだと思うと書いているんです。世の中の流れがよい方向に移り変わっていくように、私たち一人ひとりの力で変えていくことを次の目標として卒業しますと結ばれています。 教育の目標は、未来を担うりっぱな社会人を育てることだったのではないのでしょうか。受験競争で勝ち抜いても、社会性は身につきません。仲間とともに育つたいせつさが、この答辞に示されています。友達とともに学びたいという子どもすべてに高校教育の保障をすべきです。県の意向に従うばかりでなく、市教育委員会は開門率を高める努力こそすべきです。 武庫荘高校の廃校は、市民の願いに反するものです。考え直すことを強く求めて、私のすべての質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 今西恵子君の質問は終わりました。 この際、休憩いたします。 (午前11時59分 休憩)--------------------------------------- (午後1時1分 再開)
○副議長(畠山郁朗君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行いたします。 発言を許します。 小柳久嗣君。 (小柳久嗣君 登壇)
◆35番(小柳久嗣君) 私は、今回、最近起こっております市政上の問題につきまして、ランダムに質問を行ってまいります。最後のほうでございますので、若干質問が重複する部分もありますが、御理解をいただきまして、しばらくの間御静聴賜りますように、よろしくお願いいたします。 まず、質問の第1は、チョロQと尼崎お笑い大賞についてから質問してまいります。これを最初に取り上げますのは、まずは明るい話題から入ったほうがおもしろいと思ったからでございます。 この二つの問題は、暗い話が続く中で、久しぶりの明るい話題であります。チョロQは、交通局が企画、販売をいたしまして、しかも大ヒットいたしました。本市は、財政の極端な悪化が続く中で、暗い話ばかりがささやかれております。その中でも交通局の事業は慢性的赤字経営が続き、最も暗い話ばかりでありました。そんな中での今回のチョロQの大ヒットは、手放しで喜んでいいのではないかと私は思っております。1万1,000個つくったチョロQが即日完売したような事業は、過去の本市の歴史を振り返っても、1回もなかったのではないかと思っております。 まず、この点についての市長の率直な評価をお聞きしたいと思います。 また、私がチョロQを高く評価する第2の点は、厳しい財政状況が続く中で、その中に埋没することなく、それを打ち破る努力をしている職員がおられ、それを受け止めることができる幹部職員がおられたという点についてであります。どんな企画でも、それが実際に事業化されるのは極めてまれであると聞いております。とりわけ公務員の組織は官僚化しておりまして、何もない通常の状態のときでもなかなか難しいと言われております。それが、ある意味でお先真っ暗な状況が続いている市バス事業の中でそのことが起こったことは、たいへん意義深いものと思っております。 市長は、交通局の今回のチョロQの企画から販売までの組織内民主主義を十分に発揮した事業について、どう評価をされておりますか。他局の模範にすべきであると私は思っているのでありますが、いかがでしょう。他局が模範にすべき点があるとすれば、それは何と何か、具体的に示していただきたいと思います。 次に、明るい話題の二つ目は、新人尼崎お笑い大賞であります。 これは、過日の新聞報道によりますと、漫才、落語、コント、ものまね、マジックなどで活躍するプロ、アマを問わない新人を対象に行うというものでございます。来年1月27日に予選会、2月24日に本選会と、この事業はまだこれからであり、結果が出ておりませんので、評価するのは難しいのでありますが、私は、この企画をたいへん高く評価しております。なぜ高く評価をするのか、それは、私がチョロQのとき感じたものと同じときめきを感じたからであります。この企画は、決して肩ひじを張ったものではないけれども、尼崎の風土にしっかりと根づいていると感じたのであります。大賞の賞金が7万円というささやかな額であるのが、何かチョロQに通じるものと私は感じたのであります。 さて、本市は、文化行政の柱として、近松のまち・あまがさきを全国に発信しており、そのイメージアップを図っています。そしてこの事業総体が近松文学賞として集大成されるまでに発展をしております。そんな文化行政の中にあって、今回は全く別の角度から、すなわち、大衆芸能の育成という観点からのお笑い大賞の企画は、尼崎の文化行政の豊富化にとってたいへんすばらしく、意義があるものと私は評価をいたしております。また、今回の企画が株式会社エフエムあまがさきによって行われた点についても高く評価をしております。何でも行政がやってしまうという風潮がある中で、財政基盤が全くない株式会社エフエムあまがさきという民間会社が担うことが評価できる点であります。 市長のこの事業に対する評価はいかがでありましょう。率直な御見解をお聞かせください。 しかし、問題は、この事業が成功しなければ意味がありません。どんなに意義深い事業であっても、応募者がほとんどないという事態になってしまったのでは、目も当てられないのであります。事業の成功とは、応募者の数と質の高さと継続性であります。この事業成功に向けた市長の思いをお聞かせいただきたいと思います。 また、この事業に先んじて行われている近松文学賞について、この際お聞きをしておきます。 これは、全国に向けて広くPRされ、既にいろんな反応があることと思いますが、現時点での問い合わせなどの状況並びに成功の見通しについてお伺いをいたします。 次に、教育問題についてお伺いをしてまいります。 今回の教育問題の質問は、今チョロQの評価の中で明らかにしましたように、財政がいかに厳しい状況にあっても、努力をする意思さえあれば、まだまだたくさんできることがあるということの具体的事例として取り上げるものであります。金がなければ何もしないという風潮は、一日も早く払しょくされなければなりません。金がなくてもできることはたくさんあるはずであります。それを教育問題を通じて明らかにし、他局においても積極的に実行されることを願って質問をしてまいります。 その一つは、中学校における体育大会の日曜開催であります。 体育大会を日曜日にやっても、金は全くかかりません。金を全くかけずに、開かれた学校づくり推進のために大きく貢献できるのでございます。なぜ平日に体育大会が開催されなければならないのか、私には理解できません。小学校の運動会も長年平日に開催されてきました。平日開催の言い訳も山ほど聞きましたが、明らかになったのは、とどのつまり、教職員の日曜日は家で休みたいというエゴが原因であったわけでございます。学校を地域に開かれたものにするという今日的要請にこたえようとする意思が教育委員会にあるのかどうか、それが問われております。教職員のエゴの前に屈するのかどうかが問われているわけであります。御答弁を求めます。 次に、たいへん高い評価を全国的に受けています、兵庫県の事業である自然学校、トライやるウィーク事業でも、残念ながらそれと同じことを見ることができます。これらの体験学習の充実は、今日の教育荒廃克服に向けた有効な施策の大きな柱となっております。しかし、本市では、このことが十分に理解をされていない状況が続いています。それは、自然学校事業が既におおむね10年以上も経過しているのに、その事業に1回も参加していない教職員が、なんと3割もおられるのです。事業が始まったばかりのころは、出産や育児などでどうしても参加できない方がおられることについては一定の理解をしておりました。しかし、もう10年が経過したのです。出産や育児を10年間も続けておられる方は1人もいらっしゃらないはずであります。にもかかわらず、自然学校へ1回も参加されていない方が3割もおられるということを私は理解できません。泊り込みのしんどい仕事はしたくないという教職員のエゴが押し通せる状況が続いているとしか思われないのであります。エゴ以外の崇高な理由があれば、私に教えていただきたいと思います。 自然学校事業の充実化のためには、全教職員の参加は絶対条件であります。本市のすべての子どもたちのために、教育委員会の姿勢が問われています。教育長の断固たる決意をまずお聞かせいただきたいと思います。 次に、金をかけずに自然学校事業を更に発展させる施策を提案し、それに対する教育委員会の見解を求めてまいりたいと思います。具体的に提案をいたします。 それは、小学校2年生を対象にした校内での1泊の宿泊体験事業であります。子どもたちにとっても、親から離れて初めて1人で自宅以外で宿泊する体験は、たいへん意義深いものがあると思いますし、教師たちにとっても、同じように意義があると思います。自然学校に参加することを嫌がる教師は、単純なサボり教師だけではないと思います。虫や汚いところが嫌いな教師、飯ごう炊さんさえもできない教師もいると聞いています。学校荒廃克服の切札として充実が求められている体験学習であります。 本市におけるさまざまな体験学習が充実をすれば、教師が変わり、学校が変わり、子どもたちが変わります。まさに本市の学校は生まれ変わるものと確信をいたしております。そのための第一歩として、小学2年生を対象にした校内での宿泊体験事業をやるべきであると思っておりますが、教育長の御見解をお伺いいたします。 以上、教育問題の二つを具体的に例示をいたしまして、庁内の活性化策を提案してまいりました。他局におかれましても、金がない中でもできる事業はいっぱいあるはずでありますので、ぜひ真剣に努力をしていただきたいと思っております。そして、その努力の結果は、年が開ければすぐに答えが出ます。努力をした局としなかった局を評価しながら、平成13年度の予算案を今から心待ちにしております。 次に、介護保険事業について質問をいたします。 大きな期待とさまざまな批判が交錯する中でスタートした介護保険制度も、8カ月が経過をいたしました。そして、この間、介護保険事業の実態調査も実施をされてまいりました。その調査結果によりますと、利用者の9割の方が満足をされ、その利用者もおおむね3割も増加するなど、介護保険制度に期待されていた点については基本的にクリアされたものと、一安心をしております。とりわけサービス利用者の増加は、旧来の措置制度のもとでの恩恵的福祉から、契約に基づく共生型福祉のほうがはるかに意義があることが改めて立証されました。このように、介護保険制度は、基本的に私は高く評価をしており、この制度は更に充実させなければならないと思っております。そういった立場から質問を行ってまいります。 この間、サービス提供者、サービス利用者、ケアマネージャーあるいは行政の直接担当者から、制度上のさまざまな問題指摘があり、改善可能なものについては、それなりの是正もされてまいりました。そんな中で、私が感じました介護保険制度の問題点について、整理をしながら質問をしてみたいと思います。 問題点の第1点目は、要支援、要介護の認定を受けながら、実際にはそのサービスを受けておられない方が、本市の場合たいへん多いように思われます。9月末現在で介護認定を受けられた方が8,684人おられますが、そのうちサービスを受けておられる方6,447人でありまして、2,200人もの方がサービスを受けておられません。約25パーセント、4人に1人の方が、サービスを受ける権利があるにもかかわらず、その権利を行使されていないのであります。その理由について、私は、サービス受給を受けるに際して、1割負担との兼ね合いの中で、家族の方から反対をされたという声を聞いています。本来、この保険制度は、本人の意思が何よりも尊重されるはずなのに、現実にはそうはなっていないように私には思えております。この点について、当局はその原因についてどのように分析をされ、サービス受給促進対策についてどのようにしておられるのか、お答えをください。 二つ目の問題は、保険料の問題です。やはり保険料が高いという声をよく耳にしました。私は、この負担感は、国民健康保険料との兼ね合いで実際には感じておられると理解をいたしております。したがって、介護保険料を下げるより国保料を下げることのほうが、その負担感を軽くすることができるものと思っております。ただ、国保料低減のメリットを受けられない方々がおられるのもまた事実であります。例えば、生活保護基準以下の年金収入の方であります。これらの方々につきましては減免を考えるべきだと私は思いますが、当局はどう判断されていますか、お聞かせをください。対象者もそんなにいらっしゃらないはずであり、予算上の措置もわずかで済むはずであります。 そして、この減免制度は、今や全国の自治体に急速に広まっていると聞き及んでおり、国も当初はペナルティをかけるぞと脅したのでありますが、現在では国のほうも現実には勝てないと認める方向だと聞いております。 三つ目の問題は、福祉オンブズマン制度の必要性についてであります。この問題については、一昨年9月議会での私の質問に答えて前向きの答弁がなされていたのでありますが、その後、そのトーンはだんだん弱くなりまして、最近では、必要性を否定するかのようなところまで後退をしております。そこで、私は、改めて福祉オンブズマン制度の必要性を訴えたいと思います。私がその必要性を強く感じたのは、在宅サービスを受けておられる単身者が推定で1,280人もおられることが分かったからであります。施設サービスのチェックについてはこれまでもよく議論をされてまいりましたが、在宅の単身者のサービスのチェックは、これまで議論がされてきませんでした。単身者世帯は、第三者が当然にも1人もいません。十分なサービスが提供されているのか、だれも評価する人がいないのです。これで福祉オンブズマンの必要性が御理解をいただけたのではないかと思っております。御見解をお聞かせください。 次に、国民健康保険事業について質問してまいります。 この問題につきましては、本年の予算議会におきまして、基本的な考え方を中心にお聞きをしてまいりましたので、今回はその部分は省略いたしまして、具体的な問題に絞って質問をいたします。 私は、尼崎の国保料が高すぎ、したがって収納率が著しく低下し、国保会計が赤字に転落し、崩壊の危機に瀕していると、さきの議会で指摘をしてまいりました。そして、その事業の建て直しのためには、収納率の大幅アップと一般会計からの思い切った財政支援を行い、保険料を大幅に下げなければならないと訴えたのであります。このような私の質問に答えて、市長は、12年度の予算ではなんとか阪神間並みの保険料になるのではないかと答弁をされました。確かに保険料は11年度決算では、1人当たりの保険料、本市では8万7,629円で、阪神間平均では7万5,676円、その差は1万2,000円もありましたものが、12年度予算にあっては、本市の保険料7万8,384円、阪神間平均は7万2,553円となり、大幅に縮まりました。努力については一定の評価はいたしますが、その格差はまだ6,000円弱もあり、とうてい満足できるものではありません。また、収納率につきましても、10年度85.0パーセントで、11年度は更に後退をし、84.8パーセントとなっております。ここには努力をしたかけらも見られません。12年度90パーセントをめざすとされた答弁は、その場逃れの答弁だったのかと疑わざるをえません。この際、現時点での12年度の収納率の見通しについて明らかにしていただきたいと思います。 私が改めて指摘するまでもなく、尼崎の市民は、他の阪神間の都市と比較したとき、最低の所得水準にあります。その方々が最も高い保険料を払わされ続けているのは、大きな矛盾であります。その負担感は相当重いと想像することは極めて簡単なことです。しかも、本年から、これにプラスして介護保険料が上乗せされたのであります。私には保険料を下げてくれという市民のうめき声が聞こえてきます。保険料の大幅減の課題は、もはや待ったなしの状況にあります。財源はあります。8割給付にしていた分を保険料軽減に回せば可能なのです。市長の決断を求めたいと思います。 具体的に申しますと、13年度予算で保険料を阪神間並みまで下げる決意をお聞きしたいのであります。前向きの御答弁を期待しております。 次に、コスモ工業団地問題について質問してまいります。 この問題は、6年間にわたり裁判で争われてきましたが、本年6月29日に判決が言い渡され、ピリオドが打たれました。この問題について、関係者のその後の言動などを聞いておりますと、全く理解に苦しむことばかりであります。その典型的なものが、さきの9月議会に出された真相究明を求める陳情書であります。その内容が支離滅裂であるということにつきましては2問目で取り上げますが、このような行為自体が私には理解ができません。裁判での判決が不服であるならば、まず彼らがすべきことは、その判決が不当であることを宣言し、その立証を我々にすべきでありました。しかし、彼らは、そのことには目をつぶり、新たな疑惑が発覚したといって、新たな陳情を出してきたのであります。日本は法治国家でありまして、その前提の上に立って、判決は率直に受け入れるべきものであります。当然多くの議員はこのように判断し、共産党の議員も含めて全会一致で、この陳情書を一切の審議抜きで即刻否決をされました。あたりまえであります。 そこで、このあまりにあたりまえのことを受け入れることができない方々には理解を求める意味で、また、私自身の考えを整理する意味で、具体的に質問を行ってまいります。 コスモ問題を総括するに当たって、まずその本質を明らかにすることが重要であると考えております。コスモ工業団地問題とは何であったのかということであります。この問題については、判決では民事上の契約不履行事件として判断していると私は理解をしておりますが、当局の見解を求めます。 市職員の詐欺行為や不正入居がこの事件の本質であるかのような主張が一部にありましたが、この点について判決はどう判断されているのか、御答弁をいただきたいと思います。 また、私は、判決が出る前までは、市側の一部過失を認め、これはあまりにも事務上のずさんさがありましたので、9対1程度の過失割合になるのではないかと思っておりましたが、判決では100対0であったと聞いております。この点につきましてもお答えをいただきたいと思います。 次に、この判決によってある程度債権が確定してきたと思います。かつて当局は、この問題での本市の損失額は最大で約67億円、最低でも12億円であると答弁をされておりましたが、その額について、判決直前で幾らあり、判決後幾ら回収し、残りはどうなっているのか、その回収方法も含めてお答えをいただきたいと思います。 1問を終わります。(拍手)
○副議長(畠山郁朗君) 答弁を求めます。 山田助役。
◎助役(山田耕三君) チョロQ事業の評価等についてのお尋ねでございます。 他局との関連もございますので、私のほうから御答弁申し上げたいと思います。 このチョロQの企画等につきましては、職員が自らの手で生み出してくれた明るい話題の一つとして、うれしく思っているところでございます。特に交通局におきましては、非常に厳しい経営環境に直面する中で、市バスのイメージアップと、そして職員の気運を少しでも盛り上げるような取組みを具体化するために種々検討を行い、最終的に市営バスチョロQを企画し、発売したところでございます。 その反響についてでございますが、たいへん好評で、各発売時におきましては、多くの市民の方々に来ていただきまして、連日完売するとともに、新聞紙上等でも大きく取り上げられ、本市及び本市営バスのイメージアップに大きく貢献できたものと考えております。 このように、取り巻く環境のたいへん厳しい中にありましても、新たな発想で職員自ら創意工夫を行い、それを柔軟に受け止め、組織としてバックアップして取り組み、市のイメージアップにつながったことが他の模範となるものと考えております。 他の局におきましても、ボランティアとの協働による花のまちづくりコンクールにおいて最優秀賞を受賞し、協働のまちづくりとイメージアップに寄与したことも最近の例としてはございます。これらの事例のほかにも、日ごろからそれぞれの部局におきまして、担当職務の改善に努め、市民サービスの向上を図っておりますが、今後も新たな発想で、職員自ら創意工夫を凝らし、組織が一丸となって実施できる環境づくりに努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 阪本市長公室長。
◎市長公室長(阪本茂樹君) お笑い尼崎大賞に対する評価についてお答えを申し上げます。 本市はこれまで、多くの有名な芸能人を輩出し、今でも桂米朝さん、岡八郎さん、またダウンタウンなど、たいへん多くの芸能関係の方々とのかかわりが深いまちでございます。このたび、宮田市長の熱い思いも受けまして、お笑い尼崎大賞が民間主導で創意工夫の上実施されますことは、非常に意義深いものと考えております。本市といたしましても、笑いに着目をしてまち興しをする本事業が、お笑い演芸界の新人の登竜門として全国的にも定着していくよう、成功と発展を期待し、協力をしてまいりたいと考えているところでございます。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 吉井市民局長。
◎市民局長(吉井惠一君) 近松賞PR後の反応及びその成功の見通しについてお答えを申し上げます。 近松賞の創設につきましては、8月24日の記者発表以後、新聞、テレビ、雑誌等のマスコミで多数取り上げていただきました。また、日本劇作家協会の各会員、全国の劇団、劇場等に対しまして募集要項等を送付並びに全国版の新聞紙上や演劇専門雑誌等における広告掲載に加えまして、インターネット上にホームページを開設するなど、積極的なPRを実施いたしているところでございます。 12月1日現在、電話等での問い合わせは90件で、その地域は、北は青森県から南は熊本県まで、1都2府21県にまたがっております。また、ホームページには全国から517件のアクセスがございました。なおいっそう関心を寄せていただくため、機会をとらえて今後ともPRを行ってまいります。 また、作品の応募の受付は来年5月1日から6月30日まででございますが、質の高い作品応募につきましては、我が国の演劇界を代表する5人の選考委員による選考と、受賞作品を出版、上演等のサポートを行いまして、近松賞を成功に導くため最大の努力を払ってまいります。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 小林教育長。
◎教育長(小林巖君) 中学校の体育大会を日曜日に開催するべきと考えるがどうかというお尋ねにまずお答えいたします。 保護者や地域の方々が中学校の体育大会にお越しになりまして、生徒たちが抜きつ抜かれつするリレーや、互いに助け合ってゴールをめざす遊技種目、また、全校生が一体となったマスゲームなどに拍手を送りながら、次の世代に大きな夢を広げていただいておるところでございます。でありますから、体育大会を保護者や地域の人々に公開することにより、学校の教育活動への理解と協力を得るよい機会と考えております。体育大会をはじめ学校行事の日程につきましては、学校が教育計画に基づいて決定するものでございますが、小学校では既に体育大会を休日に実施しており、開かれた学校づくりの観点からも、中学校の体育大会を日曜日等の休日に開催することにつきまして、これまで他校生の訪問などの心配があった生徒指導の面も併せて、その可能性について今後検討してまいりたいと考えております。 次に、自然学校事業への教職員の参加についてのお尋ねにお答えいたします。 体験学習につきましては、全教職員がその重要性を十分共通認識するとともに、全校挙げて協力して取り組んでこそ、その成果を生むものと考えております。中でも自然学校は、教師自身が子どもたちと苦楽を共有することによって、日ごろの学校生活では知りえにくい互いの内面的な強さや弱さなどを知り合うなど、子どもと心を通わせる絶好の場であると考えております。したがいまして、今後とも各学校が事業の趣旨を再確認する中で、より多くの教員がかかわりを持つよう、学校を指導してまいりたいと考えております。 次に、小学校2年生を対象とした校内での宿泊体験事業をやるべきであると思うがどうかというお尋ねにお答えいたします。 子どもたちにとって発達段階に応じた体験学習に取り組むことは、心身の成長にたいへん有意義なことであります。特に低学年におきましては、親元を離れて先生やお友達と一緒にまくらを並べて一夜を過ごすということは、大きな感動であると思います。子どもたちの自立心を育て、人とふれ合うことの楽しさを味わう上で、たいせつな活動であると認識しております。小学校2年生での校内での宿泊体験につきましては、目的や方法等に関して十分に検討を行う必要があるとともに、保護者の理解や安全衛生面への配慮等が必要であり、今後校長等に諮ってまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) 介護保険制度に関する一連の御質問に順次お答えをいたします。 まず、本人の意思が尊重されていないと思えるが、その原因をどう分析しているのか、また、どう対応するのか、こういった御質問でございます。 このたび実施いたしましたアンケート調査によりましても、在宅サービスの利用者は、要介護認定を受けた人の71パーセントであり、約3割の方が利用されていない結果が出ております。同じ調査で要介護認定を受けながら在宅介護サービスを利用していない主な理由を聞いておりますが、最も多いのが施設や病院に入所、2番目が家族が介護、そして3番目が一人でがんばっているという結果となっております。そのほか、私どもがお聞きしていることとして、将来介護サービスが受けられるように、とりあえず要介護認定を受けておくといったことなど、さまざまでございます。介護保険制度は、措置から契約への変更に伴い、利用者本位をその趣旨としているものでございますので、これまでも9月に全戸配布いたしました介護保険だよりをはじめ、パンフレットなどで制度の周知に努めてまいりましたが、今後ともよりいっそう努力してまいりたいと考えております。 次に、生活保護基準以下の年金収入の方々について、保険料の減免を考えるべきだという御質問でございます。 保険料の減免につきましては、国は介護保険は40歳以上の全国民からの保険料で賄う制度であり、その趣旨である助け合いの精神に反するとの理由から、特に一定の収入のみに着目した一律減免、あるいは一般会計からの繰入れは適切ではないとの見解を示しております。本市といたしましては、現在国の特別対策として、介護保険料は2分の1に軽減されていることもあり、これら国が示す全国的基準を基本に進めてまいりたいと考えております。 なお、保険料の段階の決定において、保険料の賦課により生活保護基準以下となる人、いわゆる境界層の人につきましては、保険料の低位段階での決定の取扱いがございます。 次に、サービスの評価を行うためにも、福祉オンブズマンの必要があるのではないか、こういった御質問でございます。 介護保険制度では、いわゆるケアマネージャーが介護サービスの利用者の相談等に応じ、また、適切な介護サービスが利用できるよう、サービス提供事業者との連絡調整やケアプランの管理を行うこととなっております。したがいまして、在宅で単身で暮らしておられる高齢者につきましても、基本的にはケアマネージャーの役割となりますが、これで必ずしもすべて十分とは言えない場合も想定されますので、サービスの質の向上や適正な実施の確保の観点から、現在国及び県において検討が進められております介護サービスの評価システム等も含め、検討を進めているところでございます。 次に、平成12年度の国民健康保険料収納率の見通しについての御質問でございます。 国民健康保険料の収納率向上対策といたしましては、平成11年度までの取組みに加えまして、本年度におきましては、一つは推進員制度の見直し、2番目に長期間高額滞納者への対応、それから3番目は、短期保険証の有効期限の変更及び資格証明書の発行、それから4番目に分納不履行者対策の強化などに取り組んでいるところでございます。平成12年度の保険料収納率の状況は、10月末現在で前年度の同時期と比較して1.8ポイント上回っております。今後とも収納率の推移を注視しつつ、引き続きその向上に鋭意努力してまいりたいと考えております。 最後に、平成13年度の保険料は阪神間の他都市並みになるのかどうか、こういった御質問でございます。 国民健康保険料につきましては、平成12年度予算編成におきまして、阪神間他都市の保険料を目標といたしまして、一つは一般被保険者の世帯主の一部負担金の見直し、いわゆる8割給付の見直しに伴う国保財政健全化繰入金の創設、それから二つ目は、特別調整交付金など国庫支出金の確保、そして3番目は、レセプト縦覧点検の強化などによる医療費の適正化、こういった取組みによりまして、一般被保険者の1人当たり保険料、医療分でございますが、約1万円を引き下げたところでございます。13年度予算編成に当たりましても、収納率向上対策の推進による国保財政の健全化、それから医療費の適正化のよりいっそうの推進などに取り組み、引き続き被保険者の保険料負担の軽減に努め、阪神間他都市並みの保険料水準となるよう努力してまいります。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君)
矢冨産業経済局長。
◎産業経済局長(矢冨勝亮君) コスモ工業団地問題に関する御質問に順次お答えをいたします。 まず、先般の判決において、裁判所はコスモ工業団地問題の本質をどういうふうに判断しているか、また、市の職員の詐欺行為や、あるいは不正入居についてどういうふうに判断しているかという御質問に一括してお答えをいたします。 去る6月29日の判決におきまして、裁判所は、市職員には欺罔行為はなく、契約は有効であると判断をいたしております。また、判決の中で、入居選定についても不正があるといった指摘はいたしておりません。こうした判断の上に立って、裁判所は、この事件の本質は企業側の契約不履行であるとして、企業側の請求を全面的に棄却し、市が請求しておりました滞納賃料等の支払いと土地建物の明渡しを命じる判決を言い渡したものでございます。 次に、判決では、企業と市との主張になんらかの過失の割合を判断しておるかというお尋ねでございます。 判決では、さきほども申し上げましたように、市の主張が全面的に認められておりまして、過失うんぬんといった判断は行っておりません。 最後になりますけれども、コスモ工業団地事業に係る事業損失見込額、また債権回収方法等についての御質問にお答えをいたします。 まず、損失見込額でございますが、御指摘のように、平成9年12月の議会におきまして、当時の試算で最大67億円、最少で約12億円といたしておりましたが、その後、空き工場の売却、環境事業団への繰上償還による金利負担の軽減、滞納債権の回収など、こういったことに努めてまいりました結果、判決直前における見込額は、最大で44億円、最少で約6億円となっておりました。判決後の回収状況と今後の回収の方法でございますが、銀行預金債権、機械類及び不動産の差し押さえを行いまして、これまで競売等によりまして250万円程度の回収をいたしております。また、強制執行と並行いたしまして、判決が確定いたしました企業6社との納付折衝を重ねてまいりましたが、このうち2社から、これまでに約9,200万円の納付がございました。この結果、現時点での見込額は、最大で約42億円、最少で約11億円でございます。引き続き納付折衝の強化に努めてまいります。 なお、控訴3企業につきましては、債権額の8割程度の保証金を供託いたしておりまして、市の強制執行の停止を求めておりますが、これとは別に銀行預金債権と不動産の差押えを行っているところでございます。今後は、債権の回収の強化と併せまして、明渡し後の空き工場につきまして、現在既に分譲募集を行っておるところでございますが、早期売却に全力を傾注いたしまして、事業収支の改善に努めてまいる所存でございます。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 小柳久嗣君。 (小柳久嗣君 登壇)
◆35番(小柳久嗣君) 教育問題に対してからまずいきますと、中学校の体育大会日曜開催については、前向きに努力をしたいということでございます。ただ、自然学校につきましては、より多くの教師がかかわるよう指導すると、こういうことで、ちょっとまだ不十分だなという感じがしております。小学校2年生の泊り込みの宿泊ですが、今後校長等に諮って推進していこうということです。要するに、どういう弊害が出ているかといいますと、自然学校にかかわるとしんどいから、最初から小学校の高学年の担任にならないという教師が多いということなんですね。そこで非常におかしな、いびつな学校内での矛盾が起こっているということでして、その被害は全部子どもに行きますから、これを早急に改善しないと、今私は3月議会で、尼崎の教育はたいへんよくなっているという評価をしたところなんですが、やっぱりまだまだいろんな問題がありますので、そういう小学校の低学年で、汚いところとか嫌いな人がおります。最近特に、何か知らんけれども、変にきれい好きすぎて、とにかくトイレの便器もきちっと殺菌しないと座れないとか、異常な清潔好きの方もいらっしゃいますが、そういう方は、ある意味でもう教師は不適格だと言わざるをえないんですが、一遍体験して、一日も早く小学5年生の担任ができる、そういう一つの方法として、小学校2年のときに体験してはどうか、こういうことでございますので、趣旨を理解をいただきまして、来年度からそういうことに取り組んでもらえるようにお願いをしておきたいと思います。 次に、介護保険の問題につきましては、いろいろとおっしゃいましたけれども、私は2割5分と言いましたが、在宅と施設介護の重複利用者がいらっしゃいますので、それを私はダブルでカウントしておりましたから、純粋に施設利用者と在宅の方で取り出していけば3割ということで、多くなっているわけですが、その理由が、施設や病院に入っているのが第1位で、2位が家族、3位が自分でやりたいということ、これが実はサービスの1割負担の問題と関係があるのではないか。そこまでの分析をした御答弁がなかったので、たいへん不満でありますが、その辺について、当局のほうはどのように分析されているのか、これをもう一遍お願いをしたいと思います。やっていなかったら、まだやっていない、今後やるのか、その辺についても併せてお願いをしたいと思います。 次に、福祉オンブズマンの問題ですが、これはちょっと、やっぱり観点が違うのではないかという感じがしております。ケアマネージャーの役割に期待しておるということなんですが、局長もよく御存じだと思うんですが、ケアマネージャーの多忙さにつきましては、大変な悲鳴がありまして、全部事務で忙殺されて、とってもじゃないけれどもそんなところまで行けるような、施設さえも行けないんですから、個人の家にちゃんとサービスが提供されているかどうかを確認できるようなことではないと。したがって、県のほうでどうのこうのという話ですが、県はもう一つ遠い存在になるわけですから、これ、公募でやっていただいて、ほんとうにチェックをしないと、個人の単身者というのは密室ですから、密室でどんなサービスが行われているか分からないということでは、せっかくこの制度が始まっても意味がないものになりますので、これについても、今私が申し上げましたことと併せて御答弁がいただけたらというぐあいに思っております。 国保の問題につきまして、収納率につきましては一定の改善が見られるということでございます。8割給付の問題で、一般会計からの繰入金につきましては、12年度はまだ4カ月分でしかないので、来年度になりますと、フルといいますか、すべて投入できる、12カ月間になりますから、その辺が大分増えるだろうと思っておりまして、国保料は相当下がるものと期待をいたしておりますし、そのためには、まだ残された期間、収納率をどれだけ上げられるかということにかかっていると思いますので、ほんとうに今私たち、特に議員はすべてそうだと思いますが、いろんな意味で市民の方が生活の防衛に追われている、そういう意味で、公共料金の中で特に国保料の占める割合は非常に大きいわけですから、市民の生活防衛には積極的に支援をしていくという観点からもお願いをしたいというぐあいに思っております。 次に、コスモ問題でございますが、1問目では事件の本質について質問をしてまいりましたが、この2問目におきましては、判決後の課題と教訓化すべき事項について質問してまいりたいと思います。 まず、判決後、控訴されなかった企業の社長さんら複数の方ですが、ある人を介して私に会いたいと申入れがございました。私は、今回の問題については、彼らが自らの誤りについてきっちりと認識をして、私に謝罪をするのであれば会ってもよいと返事をいたしました。その結果、その条件をその社長さんらが受け入れられましたので、会いました。きっちりと謝罪もされました。経済環境委員会での私の発言についても、私の発言が正しかったと思いながら傍聴していたとのことでございました。そして、彼らが言うには、裁判は当局との話合いを求めるための手段としてしか理解をしていなかった、私たちはあくまで話合いで解決をしたかったということでございました。この話を聞いて、訴訟の中核的存在であった企業家の方の責任、その企業家を全面的に支援をした議員たちの責任の重さについて、改めて痛感をしたところであります。その責任の重大さを彼らが認識をすれば、当然でありますが、市民に対して自己批判し、謝罪をすべきであると思っております。しかし、いまだにそれはありません。たいへん遺憾に思っております。 そこで、私は、コスモ工業団地問題がほぼ終結した現段階にあって、まず何よりも議会側も理事者側も共通して教訓化すべきことがあると思っております。それは、いかに議会が言論の府であるといっても、特定営利企業の利益代弁は絶対にしてはならないということであります。株式会社という組織は、最も効率よく利益を追求する組織であり、福祉団体ではありません。支援された議員の方々は、株式会社を弱者と錯覚をされたものと善意に解釈をしておりますが、その結果、その後始末のためにばく大な税金が投入されるのであります。その血税の代償として、特定の営利企業の利益代弁には今後一切かかわらないということを、まず全体で確認し合う必要があると持っております。 次に、当局にお尋ねをいたしますが、膨大になっている債権の早期回収と空き工場の早期完売による市の損失分をいかに少なくするかが最大の課題であると私は思っておりますが、当局としてはどう整理をされているのか、その見通しを含めてお答えをいただきたいと思います。 また、当局は、この事件で教訓化すべきことが多々あったのではないかと思っております。数々の事務上のミスは、当時の担当者がバブルに踊らされていたのではないかと思わざるをえません。また、契約についても、社長本人による保証を取っていなかったなど、大きなミスがありました。当局は、今日の時点でコスモ工業団地問題について何を反省されているのか、何を教訓化されたのか、お答えをいただきたいと思います。 最後に、私自身にかけられたえん罪の無実を証明し、すべての質問を終わりたいと思います。 一昨年の9月議会において、不正入居をあっ旋した議員として、私の実名を挙げた陳情がされたのを皆さん覚えていらっしゃると思います。F企業の社長が、裁判の陳述書の中で、私に入れてもらったと書いておられるのがその根拠となっていました。まさにえん罪でありました。しかし、いずれのえん罪事件でもそうでありますが、その無実の証明をすることはたいへん難しいのであります。詳しくは申し上げませんが、その難しさについては御理解いただけるものと思います。甲山事件、最近では松本サリン事件など、大変な努力がされました。ところが、その立証ができたのであります。それも、皮肉なことに、私を犯人にでっち上げた市民オンブズマンによって証明をしていただいたのであります。具体的に申し上げますと、本年9月に市民オンブズマンから出されました陳情書で立証されたのであります。陳情文では、私に入れてもらったとしていたF企業の社長の証言を引用し、F企業の社長は、一杯飲み屋で、私以外の別の議員に頼んで入れてもらったと言っているので、これは新たな疑惑であるとして陳情が出されたわけですね。皆さん、覚えておられると思いますが。そうすると、その前があったんですから、私はぴっと思いまして、これは前の文章があるなと思いましたので、いろいろと調査をいたしました。その結果分かったことは、裁判での陳述書に書かれている、今の陳情書の部分、飲み屋でどうのこうのという話ですね、そのもう一つ前の文章のところに、F企業の社長が言うには、私に入居をお願いしたが、それを断られたので、別の議員に頼んだと、その陳述書で述べておられるわけです。私は断ったということをF企業の社長が証言してくれているわけです、その陳述書で。私の無実を証明するこの陳述書については、市民オンブズの方は多分知っておられたものと思いますので、私を罪人にしたことを謝ってほしかったのでありますが、今日まで謝罪はありません。たいへん遺憾に思っております。 いずれにいたしましても、6年にわたって世間を騒がせてきたコスモ工業団地問題は、私たちにさまざまな教訓を残し、ほぼ終結をいたしました。このようなばかげた事件を二度と起こさないよう、この事件に関与された関係者にくれぐれもお願いをするとともに、一日も早く事件への責任を明確に取っていただくことを申し上げ、私のすべての質問を終わります。 御静聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(畠山郁朗君) 答弁を求めます。
矢冨産業経済局長。
◎産業経済局長(矢冨勝亮君) コスモ工業団地問題に関する続いての御質問にお答えをいたします。 まず、市の損失額をいかに少なくするかということが最大の課題である、当局はどう整理をしているのかといった御質問でございます。 市の損失を少なくするためには、第1問でも申し上げましたが、債権の回収と空き工場の早期売却が最も重要でございます。債権の回収につきましてはなかなか困難がございますが、各企業と粘り強い話合いを進めるとともに、訴訟によって得られました債務名義によって強制執行を行うなど、努力をしてまいりたいと考えております。 また、空き工場の売却につきましても、市内はもとより、関西一円に本件の情報が浸透するよう、あらゆる手段を検討いたしまして、早期完売に向けて全力を投入してまいりたい、かように考えております。 次に、コスモ工業団地問題における反省点及び教訓についての御質問にお答えをいたします。 長年にわたる訴訟を経て、現段階においてこの事業を考えますと、根本的には売却に係る契約の在り方において、契約締結時点と代金完済及び所有権移転時期とのタイムラグがあったこと、また、連帯保証人などの契約の履行を担保する手だてが欠けていたなどが、幾つかの反省点の主なものではなかろうかと考えております。今後、同種の事業に着手するに際しましては、これらの点を教訓として、円滑な事業推進に生かしていきたい、このように考えております。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) まず、要介護認定を受けた人で在宅サービスを利用されていない方が約3割ある、その原因を1割負担との関係でどう分析しているのかという再度の御質問でございますが、去る9月に実施いたしました実態調査、これは、要支援又は要介護認定を受けている方が対象になっているわけでございますが、このアンケート調査の中で、あなたは介護保険の在宅サービスを利用していますかという質問に対して、利用していないと答えられた方が175人、この利用していない理由として、利用者の負担が大きいと答えられている方が6人おられます。それから、もう一つこの調査の中で利用者負担についての設問、幾らかということと、介護保険が始まる前と比べて負担額が増えたかどうか、こういった設問をいたしております。今申し上げました在宅サービスを利用していない方と、それと利用者負担が増えたという方とのクロス分析をすれば、御質問にお答えができるかと思いますけれども、現在その作業を進めているところでございます。 それから、在宅サービスの評価で福祉オンブズマンの問題でございますが、さきほどの御答弁が不十分だったと思います。ケアマネージャーの役割というのは、当然さきほど申し上げましたとおりでございますが、ケアマネージャーだけでは在宅で単身で暮らしておられる高齢者の在宅サービスについての苦情等には十分対処できないということで、そうしたことへの対応を現在検討しているという趣旨で申し上げたわけでございますが、その中で、当然議員の御提案の機能も含めまして、国、県の介護サービス評価システム、こういったものをトータルで検討を進めていると、こういうつもりで申し上げたものでございます。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 小柳久嗣君の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 丸尾孝一君。 (丸尾孝一君 登壇)
◆3番(丸尾孝一君) 本定例会に清風会より丸尾が質問いたします。共同募金の事業交付金、基金の運用収益、そして市内企業の育成、ごみの減量の4点についてお尋ねしてまいります。 当局並びに理事者各位におかれましては、誠実で誠意ある御答弁をお願いしたいと思います。 先輩、同僚の皆さんにおかれましては、少しの間お願いをいたします。 まず、共同募金についてお尋ねをいたします。 私は、JC時代より、地区のお手伝いを長くしておりますけれども、昨今感じることの一つに、共同募金のことについて、募金が集まりにくいとか、あるいは募金をお願いしに行きましたところ、いろいろと言われるというようなことで、どうも募金がしにくくなっておるんじゃなかろうかなと、私は感じております。町会で、あるいは地区では一定の額をそのまま出していく、毎年同じ額を出していくというようなやり方をしておられるところもあるし、あるいは1軒1軒ずっと回って、募金なんですがということで班長さんが集めて回っていくところもあろうかと思うんです。いろいろな地域のやり方があろうかと思うんですけれども、共通に言えることは、集めに回りますと、少し集めにくくなっているんじゃなかろうかというようなことをよく聞きます。私の住まいしている地区でも、よくそれを私は感じております。 私なりに考えてみますと、一つは長引く不況社会であるということと、二つ目に、社会構造の在り方にどうも不信感があるんじゃなかろうか、募金がうまいこといって、上手に使われているんだろうかというような不信感があるんじゃなかろうか。そして、お互いの社会における相互不信、隣の人はああ言うてるけれども、どうかな、ほんまかなというような、そういうところの不信感の増大もあろうかと思うんです。この三つが人々の心の中でぐっと渦巻いていって、お互いに助け合いの、いわゆる社会福祉だというようなことを基本としている地域社会、町会というものが大事であろうと思うんです。ところが、その地域社会のお手伝いをするというのは、どうもしんどいとか、いや、つまらんとか、万が一あっても、地域社会や町会は何も助けてくれないじゃないかというようなことがよく言われます。皆さんも御存じだと思うんですが、あの阪神大震災のときに、わずかの飲み水、あるいはわずかの食べ物、また公衆電話のところには長い列ができましたり、遠いところのおふろ屋さん、あそこのふろがわいているよと言えば、遠いところまで皆教え合っておふろへ行ったかのように思うんですが、そのときには、お互いに皆助け合ったと思うんです。皆さんも思い出すだろうと思うんですけれども、行政当局も行政の機関も、誠意ある、誠実執行に非常に一生懸命取り組んでおられました。それぞれが大小を問わず、復旧、復興に一生懸命やっている姿を皆さんもお忘れではないと思うんです。 そこでお尋ねしますけれども、そういうような阪神大震災のときにでも一生懸命皆さんで助け合ったということは、まだ皆さん忘れておられないだろうし、当局の皆さんもお忘れでないと思いますので、その分の忘れていないでしょうかということをお尋ねしておきます。 そこで、昨今、相互不信をお互いに持つ人が増えてまいりましたということで、増えてきた理由はどんなことが考えられるのだろうかということをもう一つお尋ねをしておきます。 次に、共同募金は、国や県や自治体がしておるのではなく、共同募金会という民間団体がしておるんです。そういうように私は理解しております。ところが、回りましたところに、意外と市がやっているとかいうようなことを言われてしまうんです。意外と共同募金会という民間団体がやっている。案外と勘違いしている人が非常に多いように思いますので、理解を深める意味でも、具体的に再度説明をお願いしたいなと思っております。 そして、その共同募金というものについては、どのような法律の裏づけがあってやっておられるのでしょうかということをお尋ねをしたいと思います。 なぜそれを聞くかといいますと、共同募金を集めましたら、県に集まります。その募金会というところに。その募金会のところから、いわゆる地域の市民生活の社会福祉だとか地域活動に有効に活用されるべく配付されてきておるんです、尼崎市に。そして、10年度に配付されたお金が4,479万5,137円、11年度は配分金が4,374万4,525円、そして12年度の配分金は4,339万1,729円と、このように側聞をしております。そこで、この10年間ほどの間に尼崎に配分されてきた分はどのぐらいあるのでしょうか。いわゆる10年間ぐらい、ずっと減ってきておるんでしょうか、増えてきておるんでしょうかということをお尋ねしたいと思います。 そして、尼崎に配付されました配分金はいろんなところに使われておるわけなんです。それが高齢者福祉ということで、12年度の配分金の内訳を見ますと、高齢者福祉には368万3,750円、障害福祉には28万9,750円、児童あるいは青少年福祉ということで470万4,750円、そして社会福祉施設等ということで1,413万4,148円、あるいは地域活動や福祉教育などに2,198万2,739円というような形で配付をされておるんです。このように、地域の活動に配られて、非常に寄与されてきた。戦後の間ずっと寄与されてきたということは、資料でも実際確認されるわけであります。その配分金の割合を見ますと、障害福祉とか高齢福祉とかいうような分野、あるいは児童、青少年の分野については、ほかの地域活動や、あるいは社会福祉施設なんかに使われているお金から比べれば、やや配分金が少ない。例えば障害福祉につきましたら、12年度に配付されたうちの28万9,750円しか使っていただいていない。四千何万円から配付されているのに、28万9,750円、こういうものが地区の募金活動をして集めて回るときの資料に付いておりまして、集めて回るときに、障害福祉になんで28万9,000円しか使ってないのというようなことを聞かれることがありますので、他に比べてやや少ない、やや少ないどころか、大分少ないということで、この配分金の配付方法とか配付決定に一定のルールが何か既にあるのか、あるいはそれを実施しているところはどこなのかというようなことをお尋ねしたいと思います。 次に、環境基金あるいは緑化基金、市民福祉振興基金、青少年育成基金、あるいは公害病認定患者救済事業基金のように基金が数々あるんですが、その事業について、その事業の運用益でしておるという仕事についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 それぞれの基金の設置目的あるいは経過並びに基金の額の推移をお知らせください。 そして、そのときにそれぞれ基金の増減があろうかと思うんですが、それもなぜそんな増減、増えたり減ったりしたのかということもお尋ねしたいと思います。 そして、環境基金の予算は、運用益が平成8年は340万円でございました。11年度は273万円でございまして、その配分金は、ごみの減量とかリサイクルの意識の啓発とか自然環境の保全あるいは地球環境保全の普及啓発に使っておられます。この4年間にどの部分に特に力を入れてきたのか、お尋ねをしたいと思います。 そして、今後本市にとってどの分野も私はたいせつだと思うんです。だけど、今後この運用収益があまり伸びない。以前は基金をお預けしておけば、7パーセントから8パーセント、9パーセントぐらい率があって利息があったんですけれども、今は1パーセントを切りまして、0.35パーセントというような非常に微々たる金額になりました。近い来年ぐらいには1.2パーセントぐらいに盛り返すかなというようなことも新聞報道では聞きますけれども、そんなんまだ先のことで分かりませんので、非常に基金の運用収益が伸びるということはまずないと考えられます。また、これからも伸びたとしてもそう大したことないと私も思いますので、この環境基金をどのように生かしていく計画があるのか、お尋ねをしたいと思います。 また、本市環境の在り方について、一般予算でも追加していって特化して取り組みたい分野があるか、あるとするならばどの分野でしょうか、お尋ねをしたいと思います。 そして、その次に緑化基金についてお尋ねをいたします。 私は、市街化されたまち、あるいは都市化が進んでまいりましたまちには、必ず心が和む緑というものが必要であると思います。そして、それは人々の気持ちを和ませてくれることが分かっておるからでございます。昭和61年に基金ができて以来、随分と時間がたっておりまして、その間の基金の積み増しがありまして、基金が寄与してきたことは事実であろうと私は理解しております。この間、緑の都市大賞というような大賞を尼崎市はいただきましたし、全国花のまちづくりコンクールでも表彰されたというか、いただいたというようなことがあろうかと、ちょっと報告で聞いております。しかし、昨今、さきほども言いましたように、基金の運用益が非常に役立たないようになっていっています。そして平成元年には2,500万円が、11年度には850万円というふうに、どんと2,500万円から850万円というふうに減って、半分以下に減っていっております。大きく減額になっております。このままの状態では、更にこの尼崎の、緑豊かで、市民の方に緑を通して生きがいや感動を与えていこうというようなことがもうできんようになってくるんじゃないかというふうに私は危ぐを感じております。よく地域の住民の方から、もっと緑を増やしてくださいというような御相談を受けますが、今後どのようなお考えがあるか、お尋ねをいたします。 次に、市民福祉振興基金についてお尋ねします。 基金は平成元年2億7,000万円、平成2年に7億6,000万円、平成12年に13億4,000万円、ここのところ10年ほど余り、平成元年から言うたら5倍ぐらい基金がずっと増えております。その基金の果実で協会への補助金として出されております。その補助金の内容について、少し御報告をいただきたいと思います。 次に、青少年の健全育成についてもお尋ねをいたしたいと思います。 本市は、未来を支えてくれる青少年たちは貴重な人材であろうかと思います。さきほど先輩議員の質問の中にも、いわゆる小学校2年生、3年生の子どもたちは非常にたいせつだというような青少年のたいせつさというものを訴えられて質問をなされておられました。それは人的な財産でもあろうし、また、大きく考えれば、この社会全体の大きな財産ではないでしょうかと思います。市長も同様のお考えをお持ちだろうと私は思いますが、改めてお尋ねをしておきます。 次に、市内企業の育成についてお尋ねをしていきたいと思います。 本市の中小企業は、世間でも景気がやや底うちした、新聞報道やテレビでもそのようなことが言われておりまして、やや持ち直しているかのようなことも聞きますけれども、たぶんそれは大企業とかかわりがある企業で、ごく一部のことではなかろうかと思います。本市は、戦後、中小企業、零細企業を底辺としまして、数社の大企業に引っ張られてきまして活性化してきた工場のまちだと私は思います。ここ10年余り、むなしい時間を経まして、これという企業あるいは大企業は市外に移っていったり、又はその企業、大企業自身が企業改革をしたり構造改革をしたりして、市内の中小企業はその恩恵を受けることもなく、切り捨てられてきたような実態があることを忘れてはならないと私は思います。しかし、零細企業、中小企業は、血の出るようなサバイバルをしながらしのいでいるのが現状であろうと私は思います。この認識は間違っているでしょうか、お尋ねをいたしたいと思います。 そして、市長さんは、次回の中小企業サミットを本市へ誘致されたというようなことを私は聞いておりますけれども、その中小企業サミットは、この間、墨田宣言という形で墨田区でされておりまして、あの分の資料もいただきまして非常に感激をしたんです。 そこで、尼崎に中小企業サミットを誘致するということは、そこには新たな発想と創意ある転換を図り、中小企業育成に取り組むべきだと私は思いますが、市長さんの御決意を聞かせていただきたいと思います。 ごみの減量計画につきましてお尋ねをしていきますが、ごみの減量につきましては、我が会派の丸岡議員がお尋ねをしてまいりましたので、このことにつきましては、後で提案と要望というような形で2問目のところでお尋ねをしたいと思います。 第1問はこれで終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(畠山郁朗君) 答弁を求めます。 吉井市民局長。
◎市民局長(吉井惠一君) 丸尾議員の御質問に順次お答えを申し上げます。 昨今、相互不信感を持つ人が増えてきているのではないか、また、増えているとすれば、どういう原因が考えられるか、こういう御質問でございます。 まず、大震災のときのことを忘れておられる方はないと思っております。 現代社会は、連帯感の失われた社会であるとも言われております。このことは、一般的には、急激な都市化の波が、それまでの伝統的な地域社会や地域共同体という概念から、現代社会におきましては、隣の人とは何の関係もなく生きていける、こういうような形をつくり出し、そのことで社会連帯の意識が薄れていったものと考えられます。しかしながら、今日では、意識、価値観が物から心へと転換をする中で、地域での連帯感や人間関係のたいせつさに気づき始めているところではないかと思っております。 それでは、引き続き共同募金について順次お答えを申し上げます。 共同募金は、社会福祉法に基づきまして、地域福祉の推進を図るため全国的に実施している事業でございまして、都道府県を単位として共同募金会を設立し、募金活動を行っております。本市におきましては、社会福祉協議会をはじめ民生児童委員、連合婦人会など各種団体の代表者23名で構成する共同募金尼崎支部委員会が設置され、具体的な募金活動に取り組まれているところでございます。 過去10年間の配分金についてでございます。 県共同募金会が県下の高齢者、障害者等の社会福祉施設に配分を行う額を除きまして、尼崎支部への配分額の過去10年間の実績といたしましては、平成3年3,023万8,000円、同じく4年3,067万9,000円、同じく5年3,205万9,000円、同じく6年3,143万8,000円、同じく7年3,205万3,000円、同じく8年3,020万8,000円、同じく9年3,089万7,000円、同じく10年3,172万1,000円、同じく11年3,097万4,000円、同じく12年3,066万円となっております。 最後に、配分に対する一定のルール等についてのお尋ねでございます。 配分につきましては、県共同募金会、また尼崎支部委員会で決定しておりますが、障害者、高齢者福祉、児童、青少年福祉への施設の配分につきましては、県共同募金会が各市町への配分に先立って配分を行っていることなどから、尼崎地区に配分された額の使途といたしましては、地域福祉、在宅福祉に係る啓発、広報、小地域福祉活動、ボランティア活動など、地域活動に充てる経費のウエートが大きくなると伺っております。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 中岡美化環境局長。
◎美化環境局長(中岡庸晃君) 環境基金の設置目的、経過並びに基金の推移、4年間の重点事業、今後の計画、特化したい分野等の御質問に一括してお答えいたします。 環境基金につきましては、平成8年2月に、環境問題に関する知識の普及啓発と環境保全活動の推進を図るために、財団法人兵庫県環境クリエイトセンターと財団法人尼崎市環境整備事業公社からの寄附3億4,000万円により設置したものでございます。基金の推移につきましては、平成9年度が3億4,053万8,000円、10年度が3億4,130万9,000円、11年度が3億4,133万9,000円となっております。なお、基金の増額につきましては、寄附によるものでございます。また、運用益の主な使途につきましては、この4年間で環境学習の拠点としてのルームエコクラブの設置運営及びその施設の備品の整備、リサイクル及びごみ減量啓発事業、身近な自然写真展及びカレンダーの作成事業等、各種啓発事業を中心として充当してまいりました。 なお、環境啓発事業につきましては、これまで基金事業以外でも一部実施いたしております。今後、基金事業では、将来を担う子どもたちを対象とした子どもエコクラブの育成等に力を入れてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 大井土木局長。
◎土木局長(大井善雄君) 同じく緑化基金についての設置目的等について御説明申し上げます。 緑化基金は、市民、事業者と行政の積立てにより、その運用益で公園緑地等の植栽推進育成事業や民有地の緑化事業、緑化普及啓発事業などを推進することを目的といたしまして、市制70周年を記念して設置をしたものでございます。経過等でございますが、基金額の推移について、昭和61年度から10年間で市が4億5,000万円、市民から5,000万円、合計5億円を目標に積み立ててまいりまして、平成7年度に目標額を達成し、その後も市民、事業者等からの寄付によりまして増加をしてきております。11年度末現在で5億9,400万円を積み立てております。 次に、運用益が大きく減っているが、どうするのかということでございますが、確かに運用益が昨今の経済情勢の中で大きく下回っている現状に憂慮しているところでございます。このような厳しい現状の中ではありますが、現在実施しています民有地の緑化推進や緑の普及啓発事業などについては、実施方法を再検討するなど、見直しを図りながら、可能な限り続けてまいりたいと考えております。 なお、この緑化基金のほかに、緑化事業につきましては、国や県の助成制度も併せて有効に活用しながら、引き続き推進してまいりたいと思っております。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) 市民福祉振興基金及び公害病認定患者救済事業基金の設置目的などについて、一括してお答えをいたします。 市民福祉振興基金は、昭和58年に尼崎市民の福祉に関する条例第17条の規定に基づきまして、市民福祉の向上を目的とする事業を推進するため、市と市民の寄附により、1億円の基金を設置したものでございます。その後、積立てを重ねまして、平成12年4月現在では13億4,000万円となっております。 次に、公害病認定患者救済事業基金は、昭和48年に尼崎市公害病認定患者の救済に関する条例第8条の規定に基づきまして、公害病認定患者の健康回復、増進に関する事業を推進するため、市内の企業66社、2企業団地の寄附により、5億円の基金を設置したものでございます。この基金額は、果実の積み重ねによりまして、平成12年4月では5億3,000万円となっております。 次に、市民福祉振興基金補助金の内容についての御質問でございます。 市民福祉振興基金の目的を達成するための推進団体といたしまして、昭和58年7月に尼崎市民福祉振興協会を設立いたしまして、予算の範囲内で基金運用収入を振興協会に補助金として交付をいたしております。市民福祉振興協会では、この補助金によりまして、市民の福祉への理解を深めるため、市民福祉大学の開催、市民の福祉意識の啓発のための協会紙の発行などを行っております。そのほか、地域における相互の助け合いのために実施しております老人給食サービス事業や自発的に福祉活動をしているボランティアのグループに対して支援を行いますとともに、視力障害者の社会参加を促進するための盲導犬健康管理費の助成事業などを実施いたしております。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 小林教育長。
◎教育長(小林巖君) 青少年健全育成基金の設置目的等についてお答えいたします。 青少年健全育成基金につきましては、青少年団体による地域活動を推奨し、青少年の指導体制を充実することにより、青少年の健全な育成を図ることを目的として設置されたものでございます。 経過につきましては、昭和57年10月に基金条例を設置し、当初3億円の基金でスタートいたしました。その後、基金の増額や寄附金、余剰金を積み立てるなどにより、平成6年4月には基金額が4億8,065万円となりましたが、その後の超低金利状況が長期にわたり続く中で、事業費を確保するため、基金の取崩し等により、平成11年度末で4億6,516万円となっております。 次に、未来を支える青少年をどういう認識でとらえているのかというお尋ねにお答えいたします。 国を語るとき、そこの青年を語れという言葉がございますが、将来を担う青少年は、御質問のように人的財産であり、社会の大きな宝であると思っております。来るべき21世紀を担う青少年に求められているものは、自ら考え、主体的に判断し、行動する力であり、このような力は、さまざまな青少年活動を通してはぐくまれるものであります。そういうことからいたしまして、青少年に社会的活動を奨励し、社会参加を促進させることによって、地域における連帯感を育て、地域社会の一員としての責任ある行動ができる青少年の育成が求められております。 そこで、青少年健全育成基金による事業といたしまして、青少年団体活動の奨励、青少年指導者の充実、青少年交歓、交流の推進、国際交流の推進など、各種事業への支援を中心とした施策を実施して、青少年の健全育成を図っておるところでございます。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君)
矢冨産業経済局長。
◎産業経済局長(矢冨勝亮君) お答えをいたします。 まず、中小零細企業の現状に対する認識でございます。お答えをいたします。 いつの時代にありましても、事業活動を維持発展させるためには、経営の創意工夫、また、たゆまざる技術革新など、事業者自身の不断のせっさたくまが必要でございます。本市の比較的多くの中小企業は、こうした努力の結果、独自の技術やノウハウをもって信頼を得ておりまして、どちらかといえば、大企業従属型というよりも、市内外の企業と広く取引を形成して、一定の底力を持っているというふうに考えられております。とは申しましても、議員も御指摘がありましたように、この過ぐる10年間は、バブル経済の崩壊後の深刻な景気低迷あるいは金融機関の破たんを契機とする貸し渋りの増大、また経済構造改革に伴います大企業を中心としたリストラの進展など、企業の大小を問わず、かつてない厳しい局面に遭遇をいたしまして、今なお生き残りをかけた懸命な努力をしている現状にあるというふうに認識をいたしております。 次に、中小企業都市サミットと、そして、これを生かした新たな中小企業育成策の取組みについてのお尋ねでございます。 中小企業都市サミットは、全国10都市の行政と産業界の首脳が一堂に会しまして、社会経済状況の変化と中小企業の近未来の姿を見据えながら、今後の地域産業政策にとって重要な課題についての協議をするものでございます。御指摘のとおり、平成14年春に本市で開催することといたしております尼崎サミットでは、こうした基本目的に沿って、問題解決型の議論にとどまることなく、中小企業の時代と言われております21世紀幕開けの中小企業サミットにふさわしい意義あるものにしたいと考えております。各都市首脳による広範な討議を経て採択されます共同宣言など、このサミットの成果を新しい産業社会を担う中小企業の育成に向けた施策に大いに反映させていきたい、このように考えているところでございます。 以上でございます。
○副議長(畠山郁朗君) 丸尾孝一君。 (丸尾孝一君 登壇)
◆3番(丸尾孝一君) 共同募金のことで、意外と勘違いをしておる人が多いということで、御説明をいただきまして、尼崎では尼崎共同募金会ということで23名の委員さんが中心になられて募金会をつくられてやられておるということが分かりました。 そこで、この共同募金を、さきほども私がお尋ねした10年度、11年度、12年度の配分金と答弁をいただいた数字がちょっと違うということは、いわゆる高齢者福祉と障害福祉で、県がしている分と市がしている分とで多少違うということで違いがあったかのように思います。そこで、これからは、共同募金を集めて、そして尼崎市に配付された分を、いわゆる高齢福祉や障害福祉のほうに使っていただくときに、福祉面におきましては、人間としての尊厳を保持できるような介護体制づくりの啓発をしていただきたいということと、いわゆる高齢者及び弱者の人々を尊重するということはどういうことかということの認識を新たにしていただきたい。そしてもう一つは、人生の先輩といいますか、高齢者の果たしてきた役割を尊重し、そのプライドを保てるような人々の交流の場づくりというようなものを地域として取り組んでもらうために共同募金をいたしていただきたいなというようなことを、この3点を中心にお願いをしたいと私は思っております。 次に、基金全体を通じまして、運用益が非常に少なくなって、1パーセントを切れて0.35パーセントということになって、基金で仕事をしていく分については非常にやりにくくなっておると思います。その中で、さきほど市民福祉振興基金というような基金を、協会をつくり、そこに補助金を出しておるというような中で、基金が少なくなって、その収益が少なくなれば運用していくことが非常に難しくなるということで、いわゆる11年度に廃止しましたコミュニティ保育事業というようなものを子育て支援という形で一般財源のほうに移行してやっていただいたというようなこともあろうかと思うんです。だから、こういうような形で、これから大事なものは、やはり基金の運用収益に頼らずして、一般財源に移行してでも取り組んでいくという姿勢を持っていただきたいなと思っております。 その中に、私は一つ、さきほど答弁の中にありましたように、老人の給食サービス事業というのがあるんです。私の地域のほうでも老人給食をやっておいでになる方に聞きましたら、つくったものをお届けして、そして安否確認、週に二遍行く場合もありますし、一遍しか行かない場合もありますけれども、お弁当を持っていって、お元気ですか、体のぐあいはどうですかというふうに安否確認ができるというような給食サービス事業です。この事業なんかも、基金の運用益でするのではなくて、どうか一般施策のほうで取り入れていただいたらいいんじゃないかなと思っております。 その次に、中小企業サミットが尼崎で14年度に行われる。そして、21世紀の幕開けのサミットになるということで、市長さんも取組みを非常に一生懸命なされておるということで安心をしております。だけど、この中小企業サミットというのは、日本全国からお客さんがおいでになります。この尼崎を見ていただいて帰っていただく、そして、その中で、この尼崎のいいものを持って帰っていただくということにつきましては、平成14年度にサミットをするといいましたら、来年は13年度でございますから、もう今から一生懸命始めなければならないと思いますので、この分は鋭意努力をしていただくことをお願いいたします。 そして、ごみの減量のことで、さきほども言いましたけれども、新しい焼却炉を建てていく、そして、その焼却炉も、やはり20年、30年たてば老朽化していく、機能も落ちていくということで、18パーセントのごみのリサイクル率を達成しなければならないというようなことで、私も清風会で調査研究に行きましたある市なんかは、やはりごみの教室といいますか、今本市もごみ教室を鋭意さわやか指導員さんを通じて一生懸命やられておりますけれども、なおかつごみの問題については、この尼崎をなんぼかの数に分けまして、五合橋線から東側とか、あるいはJRから北側とか南側とかいうような形で分けて、ごみ教室あるいはごみ塾というようなものをやって、ごみの啓発をしていって、少しでもごみを減らしていくというようなことに取り組んでもらいたいと思います。 そして、中小企業の育成ということなんですけれども、さきほど当局の御答弁によりますと、非常にサバイバルをして現状が厳しいということは認識しておるということで答弁をいただいております。そのことを踏まえまして、業者というようなところで、例えば甲と乙という会社がありましたら、甲と乙という会社が共同で協力してくれたら、この仕事ができる、尼崎にはこの仕事ができる業者がないんですと言いながら、そんなこと言わないで、どうか甲と乙という業者あるいはAとBという業者が協力すれば一つの仕事に取り組めるだろうというようなことに向けて、育成も含めて、その努力をしていただきたいと思いまして、要望させていただきたいと思います。 これで私のすべての質問を終わらせてもらいます。 どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(畠山郁朗君) 丸尾孝一君の質問は終わりました。 この際、休憩いたします。 (午後2時40分 休憩)--------------------------------------- (午後3時2分 再開)
○議長(小田原良雄君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 質問を続行いたします。 発言を許します。 広瀬早苗君。 (広瀬早苗君 登壇)
◆15番(広瀬早苗君) 日本共産党議員団の広瀬早苗です。 不登校対策について質問します。 私のもとに不登校の子どものお母さんが相談に来られました。そのお話を聞いて、尼崎や全国の様子を調べてみました。県の教育委員会が不登校に関する諸調査のまとめを今年1月に出していることを知り、取り寄せて読んでみました。それによると、全国的には、98年度30日以上欠席した国公私立の小中学校における不登校児童生徒数は12万人を超え、調査開始以来最多となっています。新聞報道によると、99年度全国の中学生の不登校生徒は13万280人、増加するばかりです。兵庫県では、98年度30日以上欠席した国公私立の不登校児童生徒数は、小学校で1,158人、中学校で6,167人となり、小中とも過去最高の数値です。特に中学校においては、全生徒に占める不登校生徒の割合が、97年度は全国で1位、98年度は2位となっています。小学校は半数以上、中学校ではほとんどの学校で不登校児童生徒が在籍しているのです。尼崎では、98年度は小学生が100人、中学生が491人と知り、びっくりしました。不登校の問題は、家庭だけの問題ではなく、尼崎の教育の大きな問題であると考えます。 尼崎市教育委員会の資料によれば、不登校にはいろんなタイプがあるとされています。怠学傾向のもの、学校の中のストレスが原因になる心因性のものなどが挙げられています。私が実際に聴き取りをした不登校の生徒の事例を紹介します。 Bさんは、中学校1年の2学期の終わり、期末試験が終わった後から長い日々が始まりました。小学校のときはとても楽しかったと話すBさんは、なぜ学校に行けなくなってしまったのか。4月当初、がやがやと混じり合っていた大きなクラス集団が小集団をつくり出すと、その速いこと。あっという間に小さな集団ができてしまって、ゆっくりしていた彼女が気がついたころには、乗り遅れたという感じだったと言います。そして、その集団は、一つ一つが閉鎖的で、どんなにしようが崩れそうにない強固なものと映ったようです。ひとりぽつんと話し相手もいないBさんは、孤独との闘いの日々。とうとう存在している自分はほんとうの自分でないと考えるようにし、ほんとうの自分は、クラス全体を木の枝から見ている1羽の小鳥に見立てて、辛うじて苦しさや孤独と闘っていたと言います。しかし、このままでは心がおかしくなると思い始め、冬休みに入る前、学校に行くのはやめようと決心したと言います。学校に行かなくなって3カ月、苦しみの後、学校に行かない自分が普通で、行っている人のほうが普通でないのではないかと考えるに至ったとき、とても心が休らいだと言います。悩みの解決の中で、いろんな人に出会い、今は自由が認められそうな私学の高校受験に向けてぼつぼつ歩み始めています。将来の夢も見えてきました。アフリカに行って発掘調査をしたいのだそうです。学校に行けなくなって、つらいときもあったけれども、今では自分というものを持っている自分を誇らしいと思いさえするというBさんは、心因性の不登校の生徒です。 Bさんは、昨年、尼崎の適応指導教室にしばらく通ったようです。尼崎では、日曜日を除き、連続7日以上不登校になった生徒を長欠と報告し、不登校になりそうな生徒や不登校になった生徒について、学校と相談して、心の教育相談室から訪問指導の先生が家庭を訪問するシステムになっています。訪問指導の結果、適応指導教室が適当と考えられたら、初めてその対象者になるのです。そして、適応指導教室に行けば、学校に行っているとカウントされます。実際に通ったBさんは、こんな感想を語ってくれました。面接のときからとっても厳しかった。遅刻はだめ、昼は外で遊ばなあかん、ルールが厳しかった。私の求めているものとは違うぞ。子どものこと分かってないなと思ったと言います。尼崎の適応指導教室は、91年度、県下に先駆けて設置されたとのことですが、設置時の目的と在り方のままでいいのかという疑問がわいてきました。 早速、疑問解決のために、元立花西小学校を利用しての適応指導教室を訪問しました。当局にお聞きしますと、指導教室の目的は、しゃべらない、こもる生徒を学校に返すことといいます。このタイプの子どもがいちばん学校に戻る可能性が強いとの判断で、まずそこに手だてをしているとのことでした。しかし、それだけでいいのでしょうか。不登校というもの全体を視野に入れた対応が教育委員会に求められています。98年度、適応指導教室を利用した中学生は31人、うち23人が部分的登校も含めて中学校に復帰していますが、491人の尼崎の中学校不登校生徒のうち31人の利用では、6.3パーセントの生徒にしか門戸が開かれていません。聴き取りの中で、不登校の親子に評判のよかったのが、但馬にある県立やまびこの郷です。担当の職員にお聞きすると、不登校の子どもの質が変わってきている。昔はいわゆる不登校、今は怠学傾向が増えている。子どもたちが変化しているのだから、対応も変化させねばと、縛られるのが嫌なのだから、柔軟な対応をしよう、自己評価が低かったり、達成感がなかったりする子どもが多いのだから、よいところを見て褒めていこう、こういうことをねらいにして取り組んでいるとのことでした。4泊5日をできるだけ親子で来てもらって、お母さんに子どもの生き生きしたところを見てもらうこと、調理やスポーツ、釣り、粘土など、いろいろやりたいことをやってもらう。すべての不登校の子どもを受け入れて、3カ月後にアンケート調査をすると、結果、50パーセントは学校に帰っているとのことでした。不登校のいろんなタイプを受け入れて対応されているのが喜ばれている原因だと納得できました。 そこで質問します。 不登校の原因は多岐にわたっています。不登校の中学生491人に対する市教委の調査によれば、友人問題が原因の生徒が96人、親子関係が原因の生徒が49人、学校の決まりが原因となっているのが37人、学業不振が29人、その他本人にかかわる問題が182人など、原因は多様です。いろいろなタイプの生徒を受け入れることのできる、一人ひとりに合った適応指導教室が求められているのではないですか。答弁を求めます。 Bさんは、訪問指導も受けました。しかし、訪問指導は、苦労されているわりに報われていません。いったい子どもはどう受け止めているのか。Bさんは言います。訪問指導の先生は、義務教育なんだから、お父さん、お母さんも悲しんでいるよ。行きたくなくても行かなと説教する。ジェネレーションギャップやなと、話す気もなかったと言います。自分の周りの不登校の友達も同じように言っているとのことです。学校に来いというのを基本に、悪いのはあなたと思わせかねない対応になっているように見受けられます。学校に行けなくなった生徒に、学校は変わらないまま学校に来いと言っても、受け入れられるはずがありません。 訪問指導について質問します。 心を聞く、心を通わせる、分かり合う、認める、そんな訪問指導が求められていると思います。訪問指導の方法を子どもたちの変化に合わせて検討すべきではないですか。答弁を求めます。 さて、初めに紹介しました県の不登校に対する調査の報告書では、欠席日数が少ないほど学校の指導、支援の割合が高く、指導の結果、登校できる、出席状況が改良した、そういう割合が高くなっていますとあります。つまり、不登校の初期の段階での指導、支援が効果的で、その対応のできる学校の役割が大きいのです。また、学校での不登校担当者が生徒指導と兼務のところでは、不登校生徒数が1校当たり2.8人も増加しているのに対し、独立させているところでは、0.4人の増加にとどまっています。つまり、不登校担当と生徒指導を分けるほうが効果があると考えられると報告されているんです。私が中学校の先生にお聞きしたところによっても、ポイントは、来なくなってから3週間、来なくなり始めて3週間の間に学校としてどう細かく援助できるかが、不登校を長引かせないこつのようです。専任の担当者を付けて長引かせない対策が、短期解決のためには必要です。ところが、尼崎では、中学校の不登校専任担当は、22校中たった6名と聞いています。 そこで質問します。 県教育委員会にとっても、市教委にとっても、学校教育の最重要課題だと思われている不登校対策のために、尼崎の専任の担当者を各校1名ずつに増員するよう県に意見を上げるべきだと思いますが、いかがですか。お答えください。 県の不登校に対する調査報告書では、欠席日数が長引いたときには、専門家や関係機関との連携が必要とのことです。市内の中学校には、1校当たり20人前後の不登校生徒がいます。ところが、今年度、尼崎のカウンセラーの配置は、巡回カウンセラー1人と育英中、若草中、武庫東中の各校に1人ずつの合計たった4人の配置です。国では、自治体との研究委託事業だったカウンセラーを、来年度より国の補助事業に改め、制度化することに踏み切りました。 質問します。 計画では、5年間ですべての中学校にカウンセラーを配置すると聞いています。98年、県下では中学校の不登校生徒の割合が3.2パーセント、尼崎はなんと4.4パーセントです。この実情を示し、来年よりいち早く尼崎のすべての中学校にカウンセラーを配置するよう県に意見を上げるべきだと考えます。いかがですか。お答えください。 これで私の第1問を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 小林教育長。
◎教育長(小林巖君) 不登校の問題に関しまして、順次お答えいたします。 まず、一人ひとりに合った適応指導教室が求められているのではないかというお尋ねでございますが、本市における適応指導教室は、県下に先立って設置し、大きな成果を上げてきたところでございます。子どもたちの変化に応じた対応を行っておるわけでございます。 また、心の教育相談室を中心に、いろいろな原因による不登校生への相談体制を組んでおります。 次に、不登校児童生徒の子どもたちの変化に応じた訪問指導を検討すべき時期ではないかというお尋ねにお答えいたします。 本市における訪問指導は、人生経験豊かな指導員が担当し、変化の激しい子どもたちへの適切な相談や保護者からの相談にも乗るといった役割を担っております。また、年齢の近いハートフルフレンドを派遣し、子どもたちとの直接対話や遊びなどを通して心を通わせ、自立に向けた幅広い支援を行っております。 次に、不登校対策のための専任担当者を各学校1名ずつに増員するように県に意見を述べるべきではないかというお尋ねでございますが、不登校児童生徒の対策は学校教育における重要な課題の一つであり、本市といたしましては、既に毎年県教育委員会に対しまして増員の要望を行っておるところでございます。 最後に、本市の中学校にスクールカウンセラーを配置するよう県教委へ意見を上げるべきではないかというお尋ねでございますが、平成13年度から、スクールカウンセラーの配置につきましては、国の委託事業から国及び県による補助事業へと制度が変わっていこうとしておるようでございます。現状では、財源の確保及び法の改正などの問題もございますので、今後国や県の動向を見守っていきたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 広瀬早苗君。 (広瀬早苗君 登壇)
◆15番(広瀬早苗君) 大きな成果を上げているといっても、たったの6.3パーセントの子どもさんしか適応指導教室に行けていない。経験が豊かだといっても、退職した60歳以上の先生、それでは子どもの心が開かれるという第1段階、それがストップされています。既にもう要請しているとはいっても、今からこの現状を踏まえて要求することが必要なのに、その誠意が見られません。そして、来年度から、その増加が新しい事業として提案されているというにもかかわらず、私は県教育委員会に電話しましたが、もうその事業に入っています。きちんと行政として機敏に対応することを求めて、第2問の質問に入ります。 教育とは何なのでしょう。学校とは何なのでしょう。教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値を尊び、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない。教育基本法第1条教育の目的には、こう書かれています。この教育基本法の教育理念に立てば、学校教育は、成長期にある子どもたちに知識と体力と情緒を子どもの発達に即して身につけさせ、子どもたちが次の時代を自らの力で創造できる人間として育っていくことを助けることに専念しなければなりません。これが憲法や教育基本法の示す、人間をたいせつにする教育の中心なのです。ところが、99年度尼崎では、学力不振で中学生40人が不登校になっています。国際教育到達度評価学会の昨年の調査でも、日本の中学生は、国際的に見ても数学、理科が好きな生徒が際立って少なく、調査3カ国の中で最低レベルであることが分かったと、文部省が5日、結果を公表しました。今、不登校の子どもたちの言葉が語っているのは、私を大事にして、このままでは一人前の大人になれないの叫びです。子どもは宝です。一人ひとりの子どもを宝として扱う教育になっているか。教育行政は、この点で何をしなければならないのでしょうか。 日本共産党は、受験中心の詰め込み教育、競争教育、ふるい分け教育から子どもたちを解放し、一人ひとりの子どもの成長と発達を中心に置いた教育への改革を図ることが緊急の課題だと考えます。競争の中で、子どもたちがともに育つことが難しくされているのですから。 1968年改定の学習指導要領と98年改定の指導要領を比較してみると、30年前に比べて小学校6年間での算数、国語、理科、社会の4教科で授業時間数が1,000時間減っています。学校の勉強だけでは分からない、塾通いをしないと分からないのがあたりまえという異常な事態は、学習内容が系統性を欠いた断片的知識を棒暗記させるというゆがみを持っていることとともに、基礎的な科目に必要な授業時間を保障していないことも大きな原因になっています。文部省の調査でも、授業が分かると答えたのは、小学校で4人に1人、中学校で21人に1人という結果が出ています。 質問します。 全国の多くの自治体で学習指導要領の見直しを求める決議が採択されています。学習内容を子どもの発達段階に即した系統的なものにするよう、学習指導要領の見直しと、真に基礎基本的な事項については十分な時間をとって、すべての子どもが分かるまで教える教育への改革が必要であります。こうした教育の改革について、市長が国に意見を出していくべきだと考えますが、いかがですか。御答弁を願います。 Bさんは言います。小学校のときには、こんなことどう考えたらいいのかとクラスでよく話す機会があった。中学校ではそれがほとんどない。みんなが何を考えているか分かりにくい。今の学校の現状ではないでしょうか。中学校でも、もっとゆっくりと先生が子どもの言葉に耳を傾けることができる状況が必要ではないのでしょうか。学校は、子どもの心に触れて人間形成を図る場ですから、本来、教師と子どもとの間に人間同士の信頼関係がなければ、教育は成り立ちません。教育の場にふさわしい、血の通った温かさが必要です。 お尋ねします。 教師が忙しくしていると、生徒は教師に声がかけられないし、また、教師も子どもの思いを受け止めることが困難になります。生徒にも教師にもゆとりが必要です。教育の中身の見直しと同時に、少人数学級の実現がどうしても必要です。30人学級の実現を国、県に要望すべきではないですか。お答えください。 次に、障害者の生活支援について質問をします。 障害者や家族からは、生活のすき間を埋める施策の充実を求める声が挙がっています。Aさんは障害を持つ息子を育てて25年間、息子をどこかへ預けては外へ出られないということで、親せきの結婚式も友達の結婚式も、自分以外の結婚式というものに出席したことがありません。親せきの人が亡くなっても、知人が亡くなっても、夫の都合がついたとき以外は通夜にも行けません。Cさんさんはもう高齢、体が疲れて、送り迎えができないとき、息子は作業所を休まねばなりません。作業所が大好きな息子を休ませたくはないのです。障害児や障害者を持つ親は、寝たきりの高齢者を介護する世帯と同じ状態なのです。一人で残して外出できない、入浴の介助をしなければいけない、学校や施設へのお迎えは一生続きます。家族に何かあれば、一時的保護も必要です。外へ出るときには、ついていかねばなりません。この間、充実した施策として、外出時の付添いでガイドヘルパーさんが一緒についていってくれます。家事援助、身体援助でホームヘルパーさんの派遣ができます。一時預かりのショートステイもできました。一定の前進はありましたが、まだまだ十分と言えません。 そんなときに、皆さんの願いを実現するような生活支援のセンターが武庫之荘で産声を上げました。生活支援センター・ビリールです。私はセンターを11月初めの午後1時ごろに訪問しました。ショートステイで利用している女性、お母さんが病気で入院中のため、お父さんのお迎えまで利用されている養護学校の生徒さん、そして、お母さんが介護の勉強に行くためにと利用している3人の方がおられました。センターは、昨年10月から、障害者とその家族の地域生活を支援するため、24時間、365日に近い形で送り迎え、一時預かり、宿泊、外出援助等、それぞれの地域生活の中で必要なときに必要なサービスを具体的に提供しています。今年8月、市長への要望書を出した際にまとめた資料には、4月30日、総利用件数162件、363時間、1カ月後の5月31日には、196件、402時間、そのまた1カ月後の6月30日には、285件、755時間となっています。たった2カ月で2倍にも膨れ上がった利用時間は、地域生活支援サービスに対する潜在的ニーズの高さと期待の大きさをあらわしています。そして、抱えきれないほどの希望者があふれて、断らざるをえないという状況が出てきているようです。ところが、こんなにも障害者の願いの強い生活支援サービスセンターが、実は台所は火の車、もうつぶれそうという状況を目の当たりにしました。障害者を抱える世帯の家計も火の車です。障害年金も額が十分でない障害者から人件費にかかるだけの費用をもらうことができないため、運営もままならなくなっているとのことでした。 さて、2003年度より始まる障害者の介護等支援サービスの体制整備が進められています。その整備の推進事業の実施についての厚生省通達が、平成11年4月1日付けで出されています。実施主体は都道府県及び指定都市、その内容は、都道府県等は福祉、保健、医療関係者及び障害者団体の代表等で構成される都道府県等障害者介護等支援サービス体制整備検討委員会を設置する、そして、その検討委員会はモデル事業を実施するとの通達です。尼崎では、尼崎市立身体障害者福祉センターが市の委託を受けて、99年10月よりモデル事業を実施しました。モデル事業の報告書には、障害者の従来の在宅サービスについては、量的な不足、内容が限定されているなど、利用する側にとっては選択できる状況にはないと言える。利用したいと思っても、身障手帳の等級で使えなかったり、所帯の所得によっては、利用費の負担が大きいため、利用を控えざるをえないとの問題があり、もっと使いやすい制度やきめ細かい援助が必要である。障害者が選択できるサービスの充実と使いやすい制度の整備が今後の大きな課題であると書かれていました。 そこで質問します。 今回のモデル事業の結果をどのように受け止め、市の施策に生かそうと考えておられますか。 障害者の国、県、市の施策で足りないところをやり始めた生活支援センターは、障害者の皆さんがとても喜んでいます。しかし、障害者の皆さんの負担を大きくするわけにはいかないと、運営は困難となっています。これは、本来は市がやらなければならないことです。これまで満たされなかった障害者の生活支援を市が援助するのがあたりまえではありませんか。 質問します。 障害者と家族の願いにこたえ、生活支援事業を尼崎でも早く実現してほしいと県に意見を上げること、また、具体的に事業を立ち上げている団体には、尼崎独自でも支援策を考えるべきです。お答えください。 これで私の第2問を終わります。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 小林教育長。
◎教育長(小林巖君) 指導要領の見直しなど教育の改革を国に求めるべきだと考えるがどうかというお尋ねにお答えいたします。 平成14年度全面実施の学習指導要領は、教育内容を厳選し、基礎基本を確実に身につけることができるよう改定されています。また、今回の改定では、子どもたちが授業内容を確実に身につけることができるよう、個別指導や複数の教師で授業を行うチームティーチングを実施するなど、個に応じた指導の充実が図られております。したがいまして、本市におきましては、新学習指導要領の平成14年度全面実施に向け、趣旨徹底を図ってまいります。 次に、30人学級の実現を国、県に要望すべきではないかというお尋ねにお答えいたします。 学級編制に関しまして、その標準としての40人学級を維持しながらも、学級は生活集団と位置づけ、学習内容により少人数での学習を行うなど、学習形態の弾力化に向けて教職員定数改善などの方策が現在国で調整中であると聞き及んでおります。したがいまして、本市といたしましては、30人学級の実現を国等に要望する考えはございません。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) 介護等支援サービス試行的事業についての御質問にお答えをいたします。 介護等支援サービス試行的事業は、国が在宅の重度身体障害者の生活を支援する介護等支援サービス体制の整備を図るため、その基礎資料を得ることを目的としているもので、県からの委託を受けまして、平成11年10月から平成12年3月まで、身体障害者福祉センターで実施をいたしております。その結果につきましては、事業終了後報告書にまとめまして県に提出をいたしております。この報告書は、県の介護等支援サービス体制整備検討委員会で検討がなされまして、国へ報告されることになっております。 市といたしましては、今後国から介護等支援サービス体制の内容が示されてから、その関連施策の実施について検討をしていきたいと考えております。 それから、生活支援事業を立ち上げている団体に市独自で支援策を考えるべきでないか、また、県に対しても意見を上げるべきではないか、こういった御質問でございます。 障害者福祉サービスにつきましては、平成15年度から現行の措置制度から契約制度へと切り替わることになっております。利用契約制度は、利用者と事業者を対等の関係とするとともに、事業者間の競争を促進し、サービスの質の向上と効率化を図ろうとするもので、今後多数の民間事業者が参入してくるものと予想されますが、こうした民間事業者に対しまして、市独自の支援策は考えておりません。 なお、市から県に意見を上げることについても考えておりません。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 広瀬早苗君。 (広瀬早苗君 登壇)
◆15番(広瀬早苗君) 教育については、根本的な解決をしない限り、ますます不登校の子どもさんが増えたり、いろんな問題が起こってきます。今こそ学力の危機、日本の未来を担う子どもの危機です。根本的に意見を上げるためにも、自治体自らの意見をまとめて上げる、国からの指導待ちにならないことが求められています。そして、介護保険でも、3日の間にたくさんの方が質問されましたが、もう65歳以上の方の介護保険で試され済み、問題がたくさん出てきています。障害者の場合は、それにもっといろんな問題が出てくるのに、国の指導が出てからというのでは、自治体の役割は何なんでしょう。怒りさえ感じます。 さて、3問目にいきます。 不登校問題についてですが、Bさんは、一度心の教育相談室に電話しました。いろいろ相談には乗ってくれたのですが、君が悪いと言われた一言に傷つき、心の相談室になっていないなと思ったと言います。彼女が言ってほしかったのは、なるほどなあの一言です。自分が自分らしくあるために学校に行くのをやめたと言いきるBさん、そして、自分を肯定して、今は将来の夢を語ります。子どもが大人になるために、おぼれそうになりながらもがいています。もがいている子どもに対する支援の手を差し伸べることと、こうした子どもたちを生み出さないための教育行政が、今ほんとうに強く求められています。 障害者問題についてです。 96年5月10日付けで、市町村障害者生活支援事業の実施についてという厚生省通知が各都道府県知事、指定都市市長、中核市長あてに出されています。人口30万人に2カ所ずつ、身体障害者、知的障害者、精神障害者のために生活支援事業の実施をするというものです。身体障害者の場合は個人でもOKとのことです。今、尼崎市は、97年10月より身障センターに委託をしているといいますが、障害者の求めている実際の支援は不十分です。コーディネートする先がないというのが実態です。 重ねて質問します。 実際の支援を行い、障害者にも家族にも喜ばれている生活支援センター事業を、尼崎の障害者の生活支援事業として認め、育てることが、2003年の障害者の介護等支援サービスに向けて求められているのではないですか。お答えください。 人権が進んだ20世紀、21世紀は人権が花咲く世紀です。障害者とその家族が地域の中であたりまえに生きていけるよう条件整備をすることが、自治体の役割です。地方分権における自治体の役割を改めて強く求め、私のすべての質問を終わります。 ありがとうございました。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) 再度の御質問で、生活支援事業のことでございますが、市の事業として認めて、育てることが必要ではないか、こういった御質問だと思います。 さきほども申し上げましたように、近年、障害者福祉サービスの分野にも民間事業者の進出が目立ってきております。これらの事業者の中には、障害者の程度や年齢などにかかわらず、24時間対応のサービスを提供しているものもあると聞いております。しかしながら、公共的なサービスという特質を常に念頭に置いて事業を実施する必要のある市といたしましては、利用者本位といえども、現在の福祉サービスの守備範囲を超えてまで利用者のニーズのすべてに対応するというようなことは適切でないということから、生活支援事業を市の事業とすることは考えておりません。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 広瀬早苗君の質問は終わりました。 続いて発言を許します。 酒井一君。 (酒井 一君 登壇)
◆9番(酒井一君) こんにちは。市民自治クラブの酒井一です。何点かの一般質問をさせていただきます。もう終わりのほうですので、かなりこれまでの質問と重複するものもあります。その点については、割愛をしたり、角度を変えたりさせていただきますので、よろしくお願いします。 まず最初に、道路公害について、道路公害裁判、この間の事例と、そして、それに基づいて都市交通政策の転換についてということでお尋ねをしていきたいと思います。これも重複する点があるかと思いますけれども、御容赦願いたいと思います。 今年の1月31日に、神戸地裁は、主にディーゼル車の排気ガスに含まれる浮遊粒子状物質とぜん息などの公害病の因果関係を認めて、その汚染をもたらした国道43号と、そして阪神高速道路神戸線の供用者である国と阪神高速道路公団の責任を認める判決を出しました。この判決が画期的、歴史的というふうに評価をされる理由は、判決が単に大気汚染の責任を認定したということにとどまらず、一定以上の汚染をもたらすような道路供用をしてはならないという、いわゆる差止めにまで判決内容が踏み込んだ点にあると言われています。ところが、国と公団は、御存じのように、この判決を不服として控訴しました。判決直後の尼崎市議会の予算特別委員会において、議員からは、国に対して控訴を取り下げるように申し入れる気はないのかという質問が出されました。答弁に立った助役は、自動車公害の問題がいつまでも争われて、尼崎が公害のまちのイメージで全国的な話題になることが必ずしもいいと思っているわけではない。また、そういう訴訟によって、いまだに尼崎は公害のまちであるという印象を全国に与えるのは非常に残念であるから、争いに対しては我々としてもほんとうは避けていきたいなどと、再三にわたって答弁をなさいました。委員会の会場の非難を浴びて再三答弁をなさった結果が、こういう何度言っても同じことという答弁でありました。この判決について行政がいかに無理解であるかということを、その場で露呈をしたのだというふうに思います。 このような市行政の考え方がいかに的外れであったのかということについては、裁判のその後の経過が明らかにしてくれました。控訴を受けた大阪高裁は、控訴審において、国、公団側は既に十分な立証を済ませているはずだ。そうでなくてはいけないとして、今世紀中に解決、つまり今年じゅうに解決を図るために、和解を勧告しました。国と公団がこれに対してこれを拒否するや、9月21日の第1回口頭弁論で弁論を終結するという訴訟指揮をして、年内に判決を出すというふうに言明をしました。その後の11月27日には、名古屋の地方裁判所でも、これは国道23号という名古屋のほうを走っている大きな国道らしいですけれども、その道路公害についての同様の差止めの判決が出されました。12月1日には、今度は尼崎の公害訴訟のほうで、一転して国が和解に応じるということになりました。その和解内容は、早期に環境基準を達成すること、阪神高速道路の神戸線と湾岸線とのロードプライシングを検討していくこと、そして大型車両通行規制の調査をすること、阪神高速の尼崎東ランプ、建設問題で議論になっております東ランプの建設は、地元住民や原告団の同意なしには着工しないようにすること、43号線の主要交差点の横断歩道橋にエレベーターを設置すること。それを受けて原告は、損害賠償請求を放棄するという、大まかにそういうものでありました。和解ということでしたから、判決にあった差止めという内容が入っていない、これについてはやむをえないという面があろうかと思いますけれども、裁判所の訴訟指揮から予想して、もし高裁判決が出されたとしても、国、公団に対して非常に厳しいものになったであろうことは、大方が予想するところでありました。道路公害に対する司法の判断は、既に一定限度以上の道路公害を許さない、そういう方向で定着をしていくものというふうに思われます。 公害は、助役の願いにかかわらず、現実に存在をして、それは過去のことではなくて、今も続いている、そのことは一審判決も認めています。とすれば、公害のまち尼崎と呼ばれることを嫌うのでなくて、公害のまち尼崎を運営している自治体としては、その現実を覆い隠すのではなくて、そして、もちろんその公害に対してあきらめて耐え忍ぶのでもなくて、被害住民の立場を守って、その現況と積極果敢に闘うことによってのみ、まちのイメージアップも図れるのではないか、そのように私は当時も思いましたし、今もそう思っています。 道路公害に対するまちの在り方、対策の在り方として、一定限度以上の公害をもたらすような道路供用は許されないんだ、公益や利便性よりも住民の健康と生命を重視すべきだ、ともすれば、行政に対しては消極的な判断をしがちな今の日本の裁判所でさえ、ここまで踏み込んだ判断を下していることについて、尼崎市行政の認識は全くついていけておらず、大きく立ちおくれているというふうに言わざるをえないと思います。 一方で、排気ガスとともに自動車の弊害は、今問題になっています地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出にもあります。同じ時期にオランダのハーグで開かれていましたCOP6は、決裂をしてしまいました。決裂の大きな原因となったのは、日本政府の主張にあると言われています。日本は、排出削減の勘定に森林の二酸化炭素吸収を加えることを主張しました。しかし、1990年という基準年次に、日本の森林は、では炭酸ガスを吸っていなかったのでしょうか。その分は勘定に加えることなしに1990年の二酸化炭素を計算しておいて、そしてスタートする2008年の森林の吸収分を計算に加えるという、まるで子どもだましのような議論を国際会議の議場で日本政府はしたわけです。科学的認識に基づいて行われている国際会議の場で、このようなだれが考えても子どもだまし以下の理屈をごり押しをする日本政府の態度には、あきれることを通り越して、恥ずかしさ、怒りさえ覚えます。このような振る舞いを政府にさせた日本の産業界の意向でありましょうけれども、まさに、我が亡き後に洪水は来たれ、これはヨーロッパのほうで言われる言い方のようです。日本風に言いますと、後は野となれ山となれ、こういう態度をかいま見ざるをえません。この結果起きた事態は深刻で、京都議定書の発行が先送りになるということになりました。 道路公害問題についてのさきほどの尼崎市当局の態度、そして地球温暖化問題についての国際会議における日本政府の態度、環境破壊問題に対する行政の認識のおくれには、改めて危機感を覚えます。この点について、今この時点で改めて市長のお考えを伺っておきたいと思います。 二つ目に、野宿生活者の問題についてお伺いをしたいと思いますけれども、まず最初に、生活保護の適用基準について何点か確認をさせてください。 まず、生活保護階層について、その対象者の年齢に制限等あるのでしょうか。二つ目に、生活保護は、対象者が病気にかかっていないと適用されないという規定でもあるのでしょうか。三つ目に、生活保護を尼崎の福祉事務所が開始するに当たって、尼崎市内に住民登録をしていることが必要なのでしょうか。四つ目に、保護対象者は居宅を持っていることが必要なのでしょうか。最後に、労働能力がないと認められることが生活保護適用の要件になるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。 そして、今尼崎におられる野宿生活をしておられる方の実態について、行政は調査をなさったのかどうか、これも改めてお伺いをしておきたいと思います。 3番目に、自然災害の被災者への公的な支援について、これは私が阪神大震災以来ずっとテーマにし、追っかけてきたことですけれども、今局面が少し動きましたので、お伺いをしておきたいと思います。 阪神大震災の被災地から、未来への伝言というふうにも言われました、大きな要求の声が上がりました、必要性が叫ばれ続けてきました自然災害被災者、自然災害で住む家を失った被災者に対する住宅再建への支援制度、これが実現に向けてまた大きな一歩を踏み出しています。まず第1に、今年の秋にありました鳥取県、島根県方面での大きな地震、この被害に対する鳥取県知事の英断であります。地震で壊れた家を建て替える人には、県の予算から300万円、修理をする人にも150万円の補助をするということを鳥取県は決断をしました。県と市町村がその費用は独自予算で負担をするということであります。まことにもって英断と言うべきだろうと思います。なんといっても、被災者の個人財産への公的支援はできないという、国が阪神大震災以降明らかに表明をしていた、この国のおきてとも言うべきものを、自治体が真正面から破ったということであります。被災者の生活再建、住宅再建への公的支援に大きな突破口を開けたということが言えると思います。 二つ目には、阪神大震災の教訓から、兵庫県が提唱し、そして全国知事会、そして政府へという形で検討が進められていました、今国土庁の住宅再建支援検討委員会で検討が進められています、兵庫県、全国知事会の提案による被災者の住宅再建を支援するための共済制度、これの実現を含む答申がさきごろ出されました。 三つ目には、国会議員の皆さんの動きであります。自然災害から国民を守る国会議員の会、この超党派の国会議員の有志で構成されている会が、国土庁のさきほどの検討委員会の作業と歩調を合わせながら、被災者住宅再建支援法案の提案を準備しているということであります。 私は、震災以降、この制度が必要である、意味があるということを訴え続けてきましたので、これら三つの動きにたいへん勇気づけられています。自然災害からの暮らしの再建は、まず住宅再建からだ、まちの復興もここからしか始まらないということは、私たちが阪神大震災の経験から痛い思いをして学んだことであります。この制度こそ、阪神大震災の被災地からの震災の教訓を踏まえて未来へ申し送るべき最大の伝言なのだというふうに思っています。震災以降、必要を訴え、問いかけを続けてきたわけですけれども、私の質問に対して、市長は、国や県に要望している等の答弁を繰り返してこられました。残念ながら、直接に被災者の生活再建や住宅再建への公的支援という考え方を打ち出そうとはなさいませんでした。 今、鳥取県と県下市町村が独自の負担で被災者の住宅再建への公的支援を実施したこと、更に、国において自然災害被災者への公的支援が大きく前進しようとしていることについて、今の時点で市長が改めてどういう御感想をお持ちか、お伺いをしたいと思います。 四つ目に、介護保険制度ということで質問内容を挙げておりました。これは、さきほどの小柳議員の質問とまるきり同趣旨でありまして、介護保険サービスの質の保障について、第三者機関による評価システムをつくるということについてどうお考えかということであります。これは、検討していきたいというお答えをいただいたようですので、もう一度また機会を改めて、その中身について詳しくお尋ねをするということで、今回は質問を見送りたいと思います。 これで第1問を終わります。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 中岡美化環境局長。
◎美化環境局長(中岡庸晃君) 道路公害及び地球温暖化による環境破壊に対する行政の認識についてのお尋ねにお答えいたします。 本年3月の議会におきまして市長からお答えいたしましたとおり、尼崎公害訴訟の地裁判決につきましては、意義ある判決と、市としての見解を申し上げているところでございます。 このたび、控訴審におきまして、判決を待たずに和解で基本合意したことにつきましては、国道43号沿道の環境改善が本市にとって長年の課題であっただけに、これまでの環境対策に加え、いっそう弾みがつくものと受け止めております。今後は、和解条約案に示された方策及び5省庁で取りまとめられた国道43号の道路交通環境対策の推進についての当面の取組みのもとに、総合的な環境対策が国、公団等によって着実に推進されることを願っております。 また、市といたしましても、関係機関、団体等と協力して取り組むべき事項や環境監視等市独自の取組みにつきましても精いっぱい対応に努めてまいりたいと考えております。 次に、COP6につきましては、先進国が実質的な温暖化防止対策に踏み出す約束を確実なものとするため、極めて重要な会議であったと認識いたしております。 いずれにいたしましても、本市はこれまで厳しい公害問題に取り組んできた過去の経験を生かしていくためにも、道路公害対策や地球温暖化防止対策などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 斉藤健康福祉局長。
◎健康福祉局長(斉藤実君) まず、生活保護の適用基準についての御質問にお答えをいたします。 生活保護につきましては、生活に困窮する者が、その利用しうる資産、能力、親族の援助及びその他社会保障、その他あらゆるものを活用しても、なお最低生活が維持できない場合に初めて適用できます。したがいまして、申請者の年齢に関係なく、健康状態や能力の活用状況等々を総合的に判断することとなっております。なお、窮迫状況にある場合には、住民登録や居住要件にかかわりなく、実態に応じた取扱いを行っております。 それから、野宿生活者の実態調査についてでございますが、これにつきましては、先日もお答えいたしましたとおり、野宿生活者への対応は市レベルでの対応では限界があるということで、全国市長会を通じて問題解決のための法的整備等を要望いたしております。県内におきましても、県及び関係各市とホームレス対策県市連絡調整会議を通じ、協議調整を進めているところでございます。この中で、実態調査の手法といたしましては、目視による概数を把握するというふうにされておりますので、本市といたしましては、この考え方に沿った手法により、概数把握等の調査を進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○議長(小田原良雄君) 木戸企画財政局長。
◎企画財政局長(木戸功君) 被災者に対する公的支援についてのお尋ねでございます。 阪神・淡路大震災で経験しましたように、高齢化が進んだ地域社会での大規模自然災害では、自力での生活復興はたいへん困難が伴い、とりわけ生活の基盤となります住宅の再建は、被災者にとって厳しいものがございます。住宅は個人の資産ではございますが、住宅の再建が生活の再建と地域社会の復興にいち早く結びつくことから、全国市長会などを通じまして、国に住宅再建支援制度の設立を要望してまいったところでございます。現在、国におかれまして、法整備に向け、制度の在り方について検討が行われており、震災の被災地として早期の制度設立を望んでいるところでございます。 以上であります。
○議長(小田原良雄君) 酒井一君。 (酒井 一君 登壇)
◆9番(酒井一君) お答えをいただきました。 まず、道路公害の問題について、次は、では都市における交通政策の転換についてということでお尋ねをしたいと思います。 かつては、公害の元凶というのは工場でありました。その大気汚染は、自治体が先導した厳しい規制や世界的にも最先端に達したと言われる公害防止技術によって、解消の方向に向かっております。今、自動車の交通が大気汚染の最大の元凶だというふうに言われるようになりました。都市では、早晩根本的な交通体系の見直しが迫られるということだと思います。自動車、特に都市部における自動車の害は、排気ガスにとどまりません。自動車が増えれば渋滞が起きる、そして、その対策のために道路をつくる、また自動車がそこに集まってくる、また渋滞が起きる、また道路をつくる、こういういたちごっこ、悪循環が、これまでの都市交通行政でありました。公共交通機関中心のまちの交通体系をつくり始める時期がもうやって来ていると言えると思います。 そういう折に、先般尼崎市が臨海西部地区から阪神尼崎、そしてJR尼崎を結ぶ交通手段として、LRTの採用をする構想を発表しました。このことは、まことに時宜を得たことだろうというふうに思います。無公害で低い床のモデルにすれば、足の弱い人や車いすの人や乳母車など、交通弱者と言われる人たちにもたいへんやさいし都市の交通システムとして、一方で都市の中心部からや住宅街からは自動車を閉め出してしまう、そして人中心のまちづくりをするトランジットモールと呼ばれるような方式とも相まって、この路面電車、LRTがヨーロッパの都市計画の機軸になってきています。市内の公共交通の軸をLRTに切り換えて、バスをその補完とし、そして自転車と歩行者中心の道づくりをしていく、そういうことを考えていくべき時期に来ていると思います。 市長は、21世紀のこのまちの交通体系について、どういうようなビジョン、プランをお持ちなのか、今回発表された臨海西部地区からの交通体系として採用されているLRTは、その構想の中に入ってくるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。 かつて日本に鉄道が導入されたときに、狭軌というレールの幅の狭い鉄道システムを導入しました。それは、以降の日本の鉄道の能力を決定してしまいました。最初にある分野であるシステムを導入しますと、そのシステムは、その先の選択肢を決定してしまいます。今回の尼崎の将来の交通体系ということを考えますと、例えばJR尼崎までは路面電車でやるんだけれども、そこから先はモノレールだというような非効率なことができない、そういうことにはならないというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。お尋ねをしたいと思います。 さて、野宿生活者の問題についてお尋ねをしておきたいと思います。 さきほどお尋ねをしました生活保護の適用基準についての疑問、あたりまえのことのように、そんなことはないというお答えをいただいたと思いますけれども、こういう理由をもって、多くの野宿生活の方々が生活保護の適用を拒まれているというのが今の行政の窓口の実態だということがありますので、お尋ねをしたわけです。保護を開始するに当たって、居宅を有することを条件とされた人、あなたはまだ働く力があるじゃないか、若いじゃないか、だから生活保護は適用できないというふうに言われた人、たくさんの事例が挙がっているわけです。そういう人たちに対して、居宅を有することを例えば要件とする、そういう法的根拠はどこにもない、労働能力はあっても就業ができない、そういうケースに対して保護を開始しない、そういう法的根拠はないんだということを申し上げたいと思います。 生活保護法は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有すると定めた憲法25条に基づいてということを法にうたって成立をしています。無差別、平等にこの法は適用されるんだということが言われています。そして、保護は、その居宅において実施をすることが原則だということもうたわれています。ただし、私はこの居宅においてということが書いてあるので、最初は、だから家がないと適用できない、変な法律だなというふうに誤解をしていたんですけれども、よく読んでみると、そんなことはありません。居宅で保護することが原則なんだ、決して本人の意に反して収容してはいけないんだということが書いてあるわけです。居宅において保護をすることが困難な場合は、施設において、そして今いる現場において保護を適用することをしなくてはいけない、それが法律の趣旨でありました。野宿生活者の皆さんの多くは、この不況の中で仕事を失って、そして、とどのつまり自分の住むところまで失って、路上生活をするようになった人たちであります。その人たちに対して、まずは生活保護を適用して、生活の基礎を提供しておいて、そして生活の再建を図ってもらう、それがこの生活保護法の趣旨であると思います。尼崎ではどういうことになっているのか、お尋ねをしたいと思います。 まず、いわゆる野宿生活をしている人たちからの生活保護申請はあったでしょうか。その申請があった場合、そのすべては申請を受理されたのでしょうか。受理した申請について、保護を開始した事例はあるのでしょうか、お伺いをしたいと思います。 この点についての御答弁を2問目としては求めたいと思います。(拍手)
○議長(小田原良雄君) 答弁を求めます。 木戸企画財政局長。
◎企画財政局長(木戸功君) 本市の交通体系についてのお尋ねでございます。 今日の都市が抱えます交通問題の解決に当たりましては、環境問題への対応や高齢者の社会参加の要請などを踏まえまして、これまでの自動車交通中心の交通体系を見直すとともに、自動車の使用の抑制、歩行や自転車、鉄軌道、乗合バスの利用や公共交通機関の在り方など、いわゆる交通需要マネジメントについて、広域的で長期的な見地から検討を行っていく必要があると考えております。 なお、LRTにつきましては、そういった状況の中での公共交通手段の一つとして、導入の可能性を含め、引き続き調査研究してまいりたいと考えております。 以上であります。
○議長(小田原良雄君) 斉藤健康福祉局長。